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494 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/06/23(木) 00 23 13.43 ID 2E9teJZS0 【SS】純情純真純白乙女・桐乃 「で裏にはあたしとのツーショットプリクラ貼って、待ち受けはあたしの水着写真を設定してんの」 あたし―来栖加奈子は今日も今日とてダチの高坂桐乃、新垣あやせと会っていた。 夏休みが終わって毎日会ってっけどよ、お互いに自由な時間がカチ合わなくってさ、 ずっと一緒にお茶する時間も取れなかったんよ。 あ、ランちんは今日も欠席。 もしかしてあやせに埋められたのかとも思ってたけどよ、ケータイもつながらないイナカに帰ってただけだって。 新学期にはちゃんと学校に来てたぜ?まぁ今日はいねーけどよ。 こうしてのんびりとお茶しながら話すのは二週間ぶりくらいなんだよね。 そんなわけで加奈子も結構楽しみにしてたんだけどさぁ~ 「そんで、あいつがなに考えてるのか知りたくなって、 あたしもあいつと同じ風に設定したケータイ見せて、なんでこんなことしたと思うって聞いたの。 そしたらあいつ、『プリクラを携帯に貼るくらい・・・俺のことが好きってこと?』っていうワケ。 それってあいつは、あたしのこと好きだからケータイをデコったっていう事でしょ? いくらあたしの事が好きだからってさー、マジありえないよねーあのシスコン♪」 なんで延々2時間も桐乃のお兄さんラヴ話聞かされなきゃなんねーの? しかもなんか前より嬉しそうだし。ノロケが強くなってるし。 初めの30分くらいは懐かしさから聞いてやってたけどよー さすがに今はもう飽きて、食べながら聞き流してるんだよね。 ったくよーこれ以上おなかぷよぷよになったら桐乃のせいだかんな。 「へぇ、そんなことがあったんだ」 あやせはずっと笑顔で聞いてるけどさーあれぜってー目が笑ってねーよな。 あやせが加奈子を『おしおき』する時もあんな目してんだけどさぁ・・・・・・桐乃のお兄さん平気かな。 ・・・ん?前回お茶したときもこんな事考えてた気がするんだけど。 でもこの間の事はあんま覚えてないんだよね。 あやせに埋められる夢を見たり、 リセットして選択肢をやり直したり、 二回同じ会話を聞いたりした気がするけど気のせいだよな。 あの時は桐乃の彼氏(?)の話をしたけどよ、結局どうなったのかな? 「ねぇ桐乃ぉ」 「なに?加奈子」 「あの後彼氏とはどうなったんよ?」 「彼氏?」 「大嫌いだけど一番大事にして欲しいってヤツ」 「!!!」 桐乃の顔が一気に朱に染まる。 おぉ、おもしれー! 「ん~?その様子だとぉ、何か進展があったのかなぁ?」 「///」 桐乃は赤い顔のままモジモジする。 うわぁ、からかいたくなるようなしぐさしやがんの。 まぁからかったらあやせに埋められるからそんな事はしねーけどよ。 「言わなきゃ、ダメ?」 桐乃が上目遣いに加奈子を見る。 なにこの可愛い生き物。 これが桐乃じゃなかったら、お持ち帰りしてるっつーの。 ・・・隣の女がよだれ出しそうになってるのは気にしねー方がいいよな? 「言いたくねーならいいけどヨ。 けどぉ~加奈子にはぁノロケたがってるように見えるんだよねぇ?」 「べ、別にノロケ話なんかじゃないから!」 その慌てよう、認めてるようなもんだぜぇ? 「・・・まぁ、加奈子にはお世話になったし、あれからどうなったか教えてあげる」 ?加奈子なんかしたっけ? 「えっと、ね。あたし― あいつに告白しちゃった」 「・・・・・・」 へぇー。告白しねぇって言ってたのにしたんだ。 キゲンいいみたいだしよ、うまくいったのかな。 ところでよ、 「・・・・・・」 なんか加奈子の隣に(元)あやせの石像が出現してるんだけど。 まぁ、ショックなのはわかるけどよ? 「あ、勘違いしないでね? 愛の告白とかそういうのじゃないから」 「そ、そうだよね。桐乃がお兄―あの人にそんな事するはずないもんね」 あ、あやせの石化が解けた。 ちぇ、もう少し固まっててもバチはあたらねーんじゃね? 「うん。 あいつに、『あたしが一番じゃなきゃイヤ』って言っただけ」 「・・・・・・」 なぁ桐乃。 桐乃が気付いてないからあえて言わないでおいてやるけどよ、 それって相手からすると愛の告白だぜ? 「・・・・・・」 少なくても、加奈子の隣の(元)あやせ(黒髪の現役ヤンデレ読者モデル。生命活動が感じられないものを指す)はそう思ってるみたいだよな。 「なぁ桐乃ぉ、もうちょっと詳しく話してくんね?」 いきなりそんな事言われてもどう反応していいかわからないべ? ・・・べつに、あやせをいじめたいわけじゃねーからな? 「うん。そうだね。 えっと、どこまで話してたんだっけ?」 「桐乃には大嫌いだけど大切なヤツがいてぇ、そいつに彼女ができたけどぉ、 絶対にあきらめないってところ」 なんかあの日の会話の順序が思い出せねーんだけど、そんな話を聞いた覚えはあるんだよね。 「えっとね、あいつ結局夏休みの最後にフラれちゃったの」 「ふ~ん。 加奈子の見立てではぁ、彼女のことを大切にするいいヤツっぽかったけどよぉ、ケンカでもしたのかよ?」 「ちゃんとは話してくれなかったけど、あたしが原因みたい。 ・・・あいつさ、ちょっと前にあたしが彼氏を作るのに反対したの」 そんな事言ってたな。 ・・・あれ?反対したヤツって確か・・・ 「だからさ、あたしがあいつが彼女を作るのを反対したらあいつも恋人作れないじゃん? あいつが誰かと付き合うのなんかすっごいイヤだけどさ、告白した子はすっごい良い子なの。 すっごい良い子で、優しくて、臆病なのに必死で想いを伝えたの。 ならさ、付き合うなって言えないじゃん」 その子も桐乃にとって大切なヤツなんだろうな。 でもよ、 「桐乃がその男と付き合うって選択肢はなかったのかヨ? 『そいつと付き合うくらいならあたしと付き合えー!』って」 誰かに取られるくらいなら、いっそ自分のものにしたくなんねーの? 「それはありえないから。 あいつのことなんか、嫌いだし・・・」 よくわかんねーけどよ、なんかフクザツなジジョーがあるみたいだよな。 「でもね、後で後悔しそうになってた。 せっかく前みたいに仲良くなれたのに、あいつだって仲良くしてくれようとしてるのに、 すっごい遠くに行っちゃった気がしたの」 「自分でもイヤになるけどさ、あいつがフラれたって知ったときはほっとしたよ。 正直嬉しかった。また仲良くなれるって。 でもあいつが悲しんでる姿を見てたらムカついてきて、 あいつと一緒にフッたヤツのところに、文句を言って仲直りさせに行ったんだ」 桐乃、本当にそいつの事が大事なんだなぁ。 それにしてもよ、桐乃は人が良すぎるってばよ。 付き合って欲しくないヤツをワザワザ復縁させようだなんて普通考えねえって。 まぁ、それだけその二人が大切だってことなんだろうけどよ。 「そしたらさ、その子『あなたはそれでいいの?』って聞いてくるの。 あたしは前と同じで『いい』って答えた。 あたしは我慢するって答えちゃった」 「そしたらその子が我慢するってどういう意味かって聞いてきたから・・・あたし・・・」 「あいつに『嫌いだけど、すっごい嫌いだけど、・・・あたしが一番じゃなきゃイヤ!』って本音を言っちゃった。 それから、『彼女ができるのはイヤだけど、それより泣かれるほうがもっとイヤ。だから仲直りさせに来た』って」 泣かれるほうがイヤだから、復縁させるのかよ。 時々思うけどよ、桐乃ってカッコいいよな。 もし桐乃が男でそんなところ見せられたらホレてたかも知んねーな。 「この間加奈子たちに言ったことを言っちまったのかぁ。 よりにもよって、大切な男の前でヨ♪」 桐乃は顔を真っ赤に染めながらうなずく。 恥ずかしかったのはわかるけどヨ、それだけじゃねーべ? 「―まぁ、良かったんじゃねーの? その男は鈍感みたいだしよ、言わなきゃ絶対に気づかなかったって。 桐乃は言いたくなかったみたいだけどさ、それでもわかって欲しかったんだべ? だからよぉ、わかってもらえたから、今そんなに嬉しそうなんだろ?」 「・・・そうだね。 あいつにあたしの気持ちが知られたのはイヤだけど、 あいつの事嫌ってるだけじゃないって知ってもらえたのは嬉しい、かも」 「あいつとは長い間口も利いてなかったからさ、お互いどんなものが嫌いなのか、どんなものが好きなのか、 どんなことを考えてるのか、どんな気持ちなのか分からなくなってるんだ。 だから、あたしはあいつがどんなものが嫌いで、どんなものが好きで、どんなことを考えてるのか、どんな気持ちなのか知りたい。 それと、あいつにあたしがどんなものが嫌いで、どんなものが好きで、どんなことを考えてるのか、どんな気持ちなのか知って欲しい」 「あいつとはこれからもずっと付き合っていくんだし、あいつに好きになって欲しい。あいつの事をもっと好きになりたい。 もっと一緒にいたいし、もっと色々な話をしたい。 だからあいつに少しでもあたしのホンネを伝えられたのは、分かってもらえたのは、とっても嬉しい事だなって思ってる」 桐乃が笑う。 加奈子にはうまく表現できねーけどさ、ジアイと優しさが混じった、前に見たのとは違う、魅力的な表情だった。 なぁ桐乃。 桐乃は気づいてねーのかも知れねーけどさ、その気持ちを世界は『恋』って呼んでるんだぜ? それにしても、『もっと好きになりたい』かぁ・・・ ひひ。あとでからかってやろぉっと。 「ねぇ、加奈子。 ありがとうね」 「・・・? 加奈子ってばなにかしたっけ?」 「うん。加奈子の言葉がなくちゃ自分の気持ちを受け入れられなかったし、 あいつのためにあんなに頑張る事もできなかったかも知れない。 後で後悔したかも知れない。 本当に、ありがとう」 「そ、そんなことねーよ。 桐乃なら一人でもやれたって」 恥ずかしくなり、顔を背ける。 「ううん。何時もみたいに、どこかで怖気づいてたと思う」 「桐乃でも怖気づく事あんのかよ」 「うん。あるよ。 特に、あいつに対しては一歩を踏み出せずにいたんだ。 だから、兄貴みたいに行動するのは本当は怖かった。 ちゃんとやれるのかな、迷惑をかけてるんじゃないかなって。 加奈子にはめるちゃんみたいに勇気をもらったんだ」 めるちゃん? 桐乃、メルルのこと知ってんのかよ。 加奈子の仕事までちゃんとチェック入れてるなんて、さすがだなー。 「加奈子って格好いいよね。 もし加奈子が男だったら、あたしホレてたかも」 桐乃がフワリと可愛くほほえむ。 「バ、バーカ! 加奈子をからかうんじゃねー!」 加奈子の顔が一瞬で熱くなったのがわかる。 そういうのは面と向かって言うもんじゃねーの! じゃねーと、 「・・・・・・いいなぁ、加奈子・・・・・・」 いつの間にか復活した隣の女に埋められるからよ? 「で、話を戻すけどよぉ、彼氏との話はどうなったんよ?」 「だから彼氏じゃないってば。 えっとね、あたしが本音をあいつに伝えたら、相手の女があいつに 『桐乃の本心を知って、あなたはそれでも私を選んでくれるの?』って・・・」 おぉ!三角関係泥沼グチョグチョのシュラバじゃね? 「それで、あいつが答えようとしたんだけど、その子が倒れちゃって・・・ その子、あたしの本音を引き出すためにあいつと別れたらしいんだ。 その子本気であいつの事好きだったらしいから、その心労だと思う」 その子、せっかく好きなヤツと付き合い始めたってのに、 ライバルと同じ条件で戦いたいからって別れたのかヨ。 桐乃といいその子といい、ジュンジョーすぎねぇ? 「あたし、兄貴ならこうするって思って動いたんだ。 でもその子は倒れちゃうし、あいつはフラれちゃうし・・・ たぶんうまくやれなかったと思う」 「でも桐乃、お兄さんだって万能じゃないんだし、立場が逆でも変わらなかったんじゃないかな?」 「ううん。兄貴ならさ、やれたと思うんだ。 嘘ついて、傷ついて、嫌われて、それでも自分以外は傷つかないようにしたと思う。 加奈子も言ってたけどさ、あいつバカだから、自分がそうしたいと思ったらこっちの事情も考えずに突っ走るの。 だからさ、相手の心に遠慮なく踏み入って、助けられるの。 ほんと、あたしの兄貴があんなに―はずないってのに」 最後のつぶやきは加奈子の耳には届かなかった。 まぁ、なんとなく予想は付くけどヨ。 「でも、その、お兄さんほどじゃなくても桐乃は頑張ったと思うよ? その人も元気になったんでしょ? それに、あのお兄さんみたいにやれる人なんていないって」 「うん。分かってる。 あいつ、後であたしにお礼を言ってくれたんだ。 『ありがとな』って。 あいつがあたしに気を使ってそんな事言うはずないからさ、あいつを救う事はできたんだと思う。 それにね―」 桐乃は幸せそうな笑みを浮かべ 「あたしに彼氏が出来るのイヤだから、あたしがイヤなら彼女を作らない。 あたしに彼氏ができるまで彼女を作らないってさ。 そんな事言ったら、お互いに恋人が出来ないで、ずっと一緒にいるしかないのにね。 ホント、妹になに言ってるんだろうね。 京介ってばマジ最高のシスコンなんだから♪♪」 へぇ~結局彼女はぁ、作らない事に決めたんだぁ~。 桐乃の好きなヤツってぇ、京介って名前なんだぁ~。 京介ってぇ、桐乃にとって最高のシスコンなんだぁ~。 てか、やっぱり桐乃の大切なヤツって― 『加・奈・子?』 背筋がゾクリとアワ立つ。 ・・・加奈子は何も聞かなかったからよ、その 『誰かに言ったらブチ殺しますよ』 って視線止めてくんね? 「ねぇ桐乃、もしも、もしもだよ? 私がその人に告白して、その人が告白を受けてくれたら、桐乃はどうしてた?」 桐乃の話が一段落ついて、加奈子が追加のイチゴのミルフィーユを食べ終わったとき、あやせがそう切り出した。 「え?あやせが?」 「うん。 私がその人のことがすっごい好きで、その人が私のことを桐乃と同じくらい好きだったらどうしたのかなって」 そんなの、『あやせには似合わないって』の一言で・・・ 「・・・・・・」 あれ?本気で考えてね? 「・・・多分ね、夏休みの前なら、あたし我慢できたと思うんだ。 あいつならあやせのことを幸せにしてくれると思うし、 あいつのことは大切だけど、あやせにならいいかなって」 「じゃあ、今は?」 「・・・・・・ごめん。今は、無理」 「あいつさ、あたしに彼氏が出来ると泣いちゃうんだって。 んでさ、あたしもあいつに彼女が出来ると泣いちゃうの。 あたしさ、あいつにあたしが一番じゃないとイヤって言ったの。 だからさ、あたしにとってもあいつが一番じゃないとダメなの。 それを認めちゃったからさ、あいつにとっても、あたしにとっても、 お互いよりも大事なヤツじゃないと認められない」 「あやせのことは大好きだし、一番の親友だし、あいつと同じであたしの一番なんだけどさ、 それでも、あたし泣いちゃうと思うからさ」 「だから、今は無理」 その言葉を聞いて、あやせが上を仰ぎ見る。 「・・・お兄さんはずるいなぁ・・・」 ・・・加奈子は耳が悪いからよ、今の言葉は聞こえなかったぜ? 「ねぇ加奈子、一つ相談したいんだけどさ」 加奈子が二層のベイクドチーズケーキに手を付けたとき、今度は桐乃が加奈子に声をかけてきた。 桐乃がタノミゴトなんて珍しくね? 「なによ?」 「その、あいつとさ、もうちょっと仲良くなりたいんだけど、どうすればいいかな?」 ギロッ ・・・隣から 『なんで私じゃなくて加奈子に相談するの? 私たち、親友だよね?』 って気配を感じるんだけど。 「彼氏彼女になりたいってことかヨ?」 「そ、そうじゃなくて! 今まで何度も助けられてるし、今回あんな事言っちゃったからさ、 感謝の気持ちとか、これからどうしたいかとかを伝えたいんだケド、 どうしたらいいか分からなくてさ・・・」 なぁ、あやせぇ、あやせは 『気持ちはわかるけど、そんなことしたらますますお兄さんと桐乃の距離が縮まっちゃう!』 って顔してるから桐乃から相談されねぇっての、わかってねぇんじゃね? 「プレゼントとかどうかな? 桐乃センスいいし、服とかアクセサリーとか送ったら絶対に喜ぶって!」 あ。ムリヤリ会話に参加してきた。 変な行動される前に、なんとかブナンな方向に持って行こうってコンタンかな? 「う~ん。あいつセンス無いから服とかアクセとかあげるのはいいんだけど・・・ あいつって地味だけど素材は意外といいじゃん? だから変に着飾ると変な虫が寄ってきちゃうんじゃないかなーって」 「うっ。 確かにお兄―あの人は良く見ると優しそうだし、顔は整ってるもんね」 地味男クン、あいかわらずけなされてるのか、ホメめられてるのかわかんねーな。 あといい加減お兄さんって認めてもいいと思うんだけどよ。 「じゃあさ、あの人の趣味のものをプレゼントするのは? 桐乃なら詳しいでしょ?」 「あいつって無趣味なんだよね。 あえて言えば眼鏡なんだけど・・・ 絶対に眼鏡なんかかけてあげない」 眼鏡が趣味? どういう意味だってばよ? 「前にあたしの好きなのをプレゼントしたんだけどさ、 泣いて喜んでくれたんだけど、あんまり使ってくれなくてさ。 やっぱりあいつが一番欲しいものじゃなきゃ駄目なのかなーって」 「そうなんだ・・・ 私なら、桐乃のくれたものなら何でも嬉しいのに・・・」 あやせがショボンとうなだれる。 たぶんそいつも喜ぶんだろうケドよ、それだけじゃ駄目ってことなんだろうな。 「ねぇ加奈子、どうすればいいかな?」 そうだなぁ・・・ コツン ん?足をあやせに蹴られたような・・・ 『変な事言わないでね?』 あやせがコウサイの無い目で加奈子を見てやがる! 目は口ほどにモノを言うっていうけどよ、あやせの目ってば語りすぎじゃね? 『なんて言って欲しいんヨ?』 『私とお兄さんと桐乃で遊園地に行くとか・・・』 『それただのあやせの希望だべ? 遊園地に行くとしても、あやせがいない方が仲良くなれるんじゃねーの?』 『桐乃とお兄さんがこれ以上仲良くなったら困るじゃない』 『桐乃の相談に乗る気ねぇのかヨ!』 『あ、そっか・・・ どうしよう。桐乃の力にはなりたいけど、お兄さんとは仲良くなって欲しくないし・・・』 やっぱりあやせに相談しようとしなかった桐乃の判断は正解じゃね? あやせが隣にいるのに相談してきたのはどうかと思うけどよ。 「やっぱり、すぐに仲良くなることなんかできないのかな?」 桐乃がさびしげに顔を伏せる。 あやせとのアイコンタクトを、二人で悩んでるんだと思ったみたいだな。 「桐乃もそいつも、お互いに仲良くなりてーんならさ、そんなの簡単だって。 たとえばぁ―」 考えるフリをしてあやせを盗み見る。 あやせはにっこりと笑い、口を小さく動かす。 ウ・メ・マ・ス・ヨ♪ ・・・加奈子ってばドクシンジュツなんて覚えてねーからよ、ただの気のせいだよな? あやせの気持ちもわかるけどよ、桐乃の力にもなってやりてーんだよな。 でも加奈子は器用じゃねーし、できることは一つしかないからさ。 だから加奈子の選択肢は― A.桐乃に助言をする。 B.『二人』を仲良くする。 ⇒C.加奈子にできる事をする。 どれも一緒なワケよ。 あたしはばかだからカケヒキなんてできねーし。 思った事をするしかないからさ。 だからさ、桐乃、あやせ、二人とも― 「素直に甘えてみればいいんじゃね?」 「「え?」」 「桐乃はさ、今までそいつにワガママ言ったり、頼み事ばっかしてきたんだろ? そんでそいつはさ、イヤイヤでも桐乃を助けてきた。 そうやって仲良くなったんならさ、ムリに変える必要ないじゃん」 「でもそれじゃあ、あいつに感謝の気持ちを伝えられないじゃん」 「桐乃ってばよ、そいつにキツく当たってきたんだろ? ずっと素直になれた事ないんじゃねーの?」 桐乃が『大切な人』のこと話す時、いっつも言い回しが素直じゃないんだよね。 「うっ。まぁ、あんまり素直になれたことはない、かな?」 「じゃあよ、いきなり感謝したりとかできねーと思うんだけどヨ。 突然プレゼント渡したりするとこ考えてみ?」 「・・・たぶん、渡せないか、変な事言っちゃうか、ビンタしたりすると思う。 前のときもそうだったし・・・ 今ならもうちょっとうまくやれるとは思うんだけど・・・」 「だべ?ならさ、とりあえず今までのお礼はおいといて、 ちょっと甘えて、それに対してお礼してみるのはどうヨ?」 「買い物に付き合ってもらって、買った小物を上げたりお礼したりするってこと?」 「そうそう」 「それくらいなら、できる・・・かな?」 「ならそこから少しずつ素直になるのに慣れていけばいいんじゃね?」 桐乃はガンガン先に行こうとすっけどよ、少しずつ仲良くなるのも恋愛のダイゴミだと思うわけよ。 特に『フクザツなジジョー』があるならさ、いきなりガラッと変えても気まずくなるだけだと思うんだよね。 「でも今までもいっぱい迷惑かけてるのに、これからもまだ甘えたりしたら、嫌われたりしないかな・・・?」 「ん~相手にもよるけどよ、甘えるのは悪いってワケじゃないと思うんだよね。 最近はあんまやってねーけどよ、加奈子に声かけてくる奴らって、加奈子がロリ可愛いからよってくるわけよ。 そういうヤツらはさ、ホゴヨクっていうの? そういうのがあるから、加奈子に甘えられるのが好きなんだよね」 「う~ん。 そういうものかな?」 いまいちナットクできてねーみたいだな。 ・・・あんまり話したくねーけどヨ、しかたねーから、加奈子の体験談を話してやるか。 「なぁ桐乃ぉ。 桐乃はブリジットって知ってるべ?」 「うん。あるちゃ―じゃなくて、前にあいつといた時に加奈子と一緒にいた子だよね」 「ブリジットってよー、事務所じゃ加奈子の後輩なんだけどさ、しょっちゅう付きまとってくんのよ。 ホント、マジウザくてイラつくんだけどよぉ。 それでもよ、あいつイッショーケンメーだし、頑張ってっし、カワイイからよ、 ブリジットに頼られたり、甘えられたりするのってキライじゃねーんだよな」 ミョーに気恥ずかしくなり、顔をそらす。 「なんていうかさ、加奈子妹いないからよくわかんねーけどさ、妹ができたみたいっつーの? 世話焼くのは悪い気分じゃねーっつーか・・・」 「加奈子・・・ 少し心配してたけど、ちゃんと頑張ってるんだね」 あやせが加奈子を優しく見つめる。 「うっせ!」 もう一度顔をそらす。 まったく、顔があちーじゃねーかよ。 やっぱ、言うんじゃなかったな。 「あるちゃんが妹・・・じゅるり」 加奈子が視線を戻すと桐乃が壊れていた。 最近桐乃のこんな顔をよく見るんだけどよ、どっか違う場所でも見た気がするんだよな。 どこだっけ? 「ってかよ、桐乃だって頼られるのは嫌いじゃないべ?」 「あたし?あたしは・・・」 加奈子はちらりとあやせに視線を向け、 「たとえばよ、あやせに頼られたり甘えられたりすると嬉しいんじゃねーの?」 「あやせに? うん。好きな人とか、大切な人に頼られるのは嬉しいな。 信頼されてるんだって思えるし、力になってあげたいし」 「桐乃・・・」 あやせが頬を染める。 桐乃ってばよ、こういう時すっげー素直にしゃべるよな。 意識してるわけじゃなくて、天然のタラシなんだよなー。 大切な人にもよ、そんだけ素直になってやれっつーの。 「そいつもよ、結構なオセッカイやきみてーだからさ、 頼られるとなんだかんだで喜んでると思うぜ?」 「でもあいつ、あたしが何頼んでも嫌そうにするんだよね。 せっかくあたしがかまってあげるっていうのにさ。 あいつ単純だから、嬉しいなら嬉しそうな顔すると思うんだけど」 「それってよ、変なリユーつけてるからじゃねーの? 『あんたしかいないから仕方なく~』とか『責任とって~』とかヨ。 自分じゃなくてもいーんじゃねーかって思ったらさ、素直に喜べねーって」 桐乃いっつも『仕方ないからあいつをつれていったわけ』とか、『そんなことするからお詫びに~させた』とか言ってっけどよ、 加奈子たちにテレかくししてるとかじゃなくて、ホントにそう言ってんだべ。 「確かに素直に誘えたことはない、かな?」 「桐乃はよ、色々なことができるからさ、誰かに頼ることなんかめったにねーじゃん? なら頼ってばっかのそいつって、桐乃にとって特別なヤツなんだろ? それならよ、ちゃんと『特別なんだ、信頼してるんだ、だから甘えたいんだ』ってわかってもらわないといけないぜ? 桐乃にとっての特別だって知って、嬉しくないヤツなんかいねーからよ」 「本当に、喜んでくれるかな?」 間違いないよ。 桐乃に相談されて、加奈子も嬉しいんだからさ。 「うん、分かった。 できるか分からないけど、素直に甘えてみる。 あ、えと、加奈子・・・」 「なによ?」 「ありがとうね。相談に乗ってくれて。 それとね、あいつだけじゃなくて、加奈子もあやせも、あたしにとって特別だから・・・」 桐乃が頬を染めてにっこりと笑う。 だからよぉ、加奈子をオトそうとすんなっつーの! 「桐乃ってさぁ、時々『あるちゃん』とか『めるちゃん』とか言ってっけどよぉ、メルルのこと知ってんの?」 「え?えと、あの、その・・・」 おぉ、桐乃がきょどってる。 まぁ恥ずかしいのはわかるけどよ、なんたって 「わかってるって。 加奈子の仕事について調べてくれたんだべ? 桐乃が子供向けアニメなんか見ねぇのわかってからよ、勘違いしねぇって」 「!そうなの! 加奈子の仕事の内容が知りたくてさ、ちょっと見てみたんだ」 やっぱなー。 桐乃のヤツ、最近加奈子の仕事についてよく聞いてくるし、 思い込みの激しいあやせと違ってちゃんと下調べすっからよ、そうだと思ったんだ。 「BDも第一期第二期両方とも初回特典付きで集めたし、もちろん劇場版も初日に見に行ったよ。 第三期だって毎週録画しながら見てるし、BDは全巻予約済み。 あ、予約特典は全部欲しいから―」 桐乃が目をグルグルさせながらすごい勢いで喋りだす。 ・・・・・・下調べだよな? 「桐乃!」 あやせがあわてて桐乃の名前を呼ぶと、桐乃の動きがぴたりと止まった。 桐乃の顔色が真っ青に変わっていく。 あと、加奈子を見るあやせから表情が消えていく。 大声で喋って恥ずかしい姿を見られたからって、そこまで慌てなくてもよくね? 「ねぇ加奈子」 『黙っててくれるよね? 私、まだ加奈子とサヨナラしたくないんだ』 あれ?今あやせの声が二重音声で聞こえなかった? 加奈子の危機察知能力がスキルアップしたんかな? とにかく、今のはスルーしろってことだよな。 「ちゃんと調べてくれてるのは嬉しいけどよ、ワザワザ買わなくてもいいっつーの。 事務所から渡されたのがあっから、言ってくれたら貸してやんよ」 加奈子のせいで桐乃がオタになんのも困るからよ。 「あ、うん。それもそうだね。 でもさ、ちゃんと見るからには製作者に何か返さないといけないじゃん?」 ふ~ん。作家様からしたらそういう考えなのかもな。 まぁとにかくメルルのこと嫌いじゃねーみたいならさ― 「それで加奈子ぉ、今度遊園地でメルルショーやるんだけどぉ、 よかったら『大切なヤツ』と一緒に見に来ねぇ? いい席取っておいてやっからヨ」 「え?」 「それならそいつをデートに誘う口実ができるっしょ? あ、誘うときは素直に『一緒に行きたい』って言えヨ? さすがにそこまで面倒見きれねーかんな」 「あたしが、京介と一緒に、加奈子に招待されて、メルルイベントでデート・・・」 桐乃の顔がだらしなく溶ける。 ・・・何考えてんのかわかんねーけどよ、見てて不安になんだけど。 ・・・しかたねーな。 「ちゃんとやれっか心配だから加奈子もついていってやりてーんだけどヨ、 リハとかしねーといけねーし、あんまり桐乃にかまってやれねーんだよな」 ちらりとあやせの方を見る。 「なんならあやせも一緒に来たらどうヨ?」 「え?私も?」 あやせが目を丸くする。 さっき一緒に行きたいって目で合図してたじゃねーかよ。 「あ、それいいかも」 桐乃が賛同する。 「駄目だよ。私が行ったらお邪魔になっちゃうし・・・」 「いいって、いいって。 あいつもあやせのこと気に入ってるしさ」 「でも・・・」 「・・・ねぇ、あやせ」 桐乃が正面からあやせを見る。 「前ならさ、あやせとあいつを会わせたくなんかなかったけどさ、 あいつ、あたしを選んでくれたし、今なら少しくらいあいつを信じてもいいかなって思えるから。 それに、あやせだってあいつに会いたいんでしょ? あいつのことは大事だけど、あたしにとってあやせもすっごい大事だし、 あいつと、あやせと一緒ならもっと楽しめると思うんだ」 あやせの顔が朱に染まる。 「う、うん」 「それにさ、」 桐乃は身を乗り出し、あやせの耳元に顔を寄せる。 なんだよ、加奈子は置いてけぼりかヨ。 「あたしが・・・暴走・・・心配だし・・・ だけじゃ・・・」 「うん、確かにね」 「・・・兄貴が・・・の時も・・・していいから」 「あはは、それなら私が必要だね!」 ・・・加奈子、無視されて寂しいんだけど・・・ 「それで、結局来るのかヨ?」 しばらくして桐乃が離れたのを見計らって、そう切り出した。 「うん。加奈子のイベントには絶対に行く。 そのせいであやせやあいつが来ないって言っても、絶対に行くからね!」 来てくれるのは嬉しいけどよ、それってホンマツテントーじゃね? それにしても今の桐乃の顔、はじめてみるくらい楽しそうだな。 「加奈子、これで何度目になるかわかんないけどさ、 色々とありがとうね。 本当に嬉しい」 「・・・加奈子と桐乃はダチだべ? ならよぉ、桐乃のために頑張るのは当たり前じゃん? いちいち礼なんか言わねーでいいっつーの。 代わりにちゃんと、その鈍感な『大切なヤツ』に言ってやれよな」 桐乃と話すのは楽しいんだけどよ、 「加奈子は優しいね。 うん、ちゃんと言ってみる」 そんな顔されると、こっちの調子も狂っちまうじゃねーかヨ。 「ところであやせぇ、いつになったら糞マネ連れてくんの?」 この間あやせにつれてきてくれって頼んだんだけどよ、 糞マネは受験生のアルバイト君だったらしくて、時間が取れないって言うんだよな。 時間が合えば連れて来るって言ってたけどよー、もうずいぶんと経つぜ? やっぱりあの糞マネ、あやせに埋められちまったんかな・・・ え?加奈子の方こそ、この間あやせのゲキリンに触れて埋められたんじゃなかったかって? ・・・・・・よく思い出せねーや。 よくわかんねーけど体も震えるし、思いださねーほうが良い気がすんだよな。 「え、えっとー」 あやせが加奈子から目をそらし、桐乃のほうを見る。 桐乃がコクリとうなずく。 ?桐乃も糞マネのこと知ってんの? 「桐乃が良いなら・・・ 加奈子、その人なら今度のイベントのときに会えるかもしれないよ」 「今度ってーと、桐乃とあやせが見に来るときかヨ。 ひひ。そりゃ楽しみだなー」 桐乃の前でショーをやるのは緊張するかも知れねーけど、あの糞マネがいてくれるなら、 きっと加奈子は最高のパフォーマンスを見せてやれるだろうなぁ。 桐乃、ちゃんと楽しんでくれると嬉しいな。 「でも加奈子、あの人は筋金入りのシスコンだよ? ・・・妹に頼まれたからって彼女を作らないくらい」 ふ~ん。 桐乃のお兄さんみたいなヤツって結構いるんだな。 それに、糞マネの妹も桐乃みてーにブラコンなんかよ。 まぁでも、問題ないべ。 糞マネがすごいシスコンだとしてもよ、 「平気だっつーの。 要はぁ、加奈子がその糞マネの妹よりも魅力的だって認めさせてやればいいんだべ? なら、あいつを加奈子しか見えないくらいにメロメロにしてやんよ♪」 -HAPPY END?- おまけ 「ところでよ、ランちんなんだけどよぉ、この間誰かに助けられて、そいつのこと探してんだってヨ」 「ふ~ん。その恩人てどんな人なの?」 「なんて言ってたっけなぁ。 そうだ! 確かよぉ、目は死んだ魚みたいだしぃ、地味な雰囲気だけどぉ、 よく見ると顔は整っててぇ、優しくてぇ、頼りになるヤツだとか・・・」 -------------
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はじめましての人はさすがにいないと思うが、軽く自己紹介しておこうと思う。 俺の名前は高坂京介。少し前までごく普通の高校生だったものだ。 いきなり話し始めるのもなんだから、この物語のあらすじを簡単に綴っておく。 春休みのある日。俺は妹とちょっとした賭けをした。(賭けがなんだったのかは、ここでは割愛させてもらう。……内容が気になるって? どうしても気になるやつは、つまらない賭けを想像してみてくれ。想像したな? よし、それで正解だ) 勝者は敗者に、なんでもひとつだけ命令することができる条件だった。 お願いではなく、命令となると――とても強い強制力がある。 そして俺は、妹に勝った。 勝ったのだ。俺は妹に命令できるのだ。あの小生意気な妹を! あの小悪魔桐乃を! 欲望の赴くままオモチャにすることができるのだ! ヒャッハァ――――――ッ! ――とまあこんな感じで、俺の気分が最高潮に盛り上がっているところから本編スタートだ。 こんこん、と小さくドアがノックされる。 俺はドアの向こうにいる人物に、入ってくるよう促した。 「……入るよ」 俺の前に姿を現したのは、つい最近まで恋人関係だった俺の妹、高坂桐乃。 さらりと流れる長い髪――それを際立たせるためだけに存在していると言っても過言ではない、ピンクのヘアピン。 そして、身に纏う白いワンピースの腰の辺りでは、大きなリボンが自己主張をしている。 清潔感の漂う、大人しめの服装。しかし、アクセントとして麦わら帽子をチョイスした彼女のコーディネートには一部の隙もない。 まるで妹めいかぁのヒロインを彷彿とさせるイメージだった。(つまりエロゲーヒロインそっくりということだ) 「――――」 あまりの神々しさに、俺は不覚にも、妹に見惚れてしまっていた。 「……あんまジロジロ見ないでよ」 桐乃は照れくさそうに、麦わら帽子を目深にかぶり直す。 勘違いされては困るのだが、俺の命令はこれではない。 この服装はあくまで副産物みたいなもので、完全に桐乃のセンスである。 つまり何が言いたいかというと、俺の趣味で妹をエロゲーヒロインのようにコスプレさせたわけではないということだ。 俺が命じたのは―― 「ねぇ、京介」 「はいアウト!」 「何がっ!?」 「おいおい桐乃、もう忘れちまったのか? 今日は俺のことを『お兄ちゃん』と呼ぶ約束だろうが」 「……それマジでやるの?」 そう、俺の命令とは、妹に『お兄ちゃん』と呼ばせることなのである。……一応言っておくが、そういう『プレイ』がしたかったわけではないぞ? 決して桐乃に、『京介お兄ちゃん……好きだよ』などと呼ばせたいわけではない! ただの罰ゲームだからね。 ということで、俺は不適に笑いながらこう返した。 「当然だ。さあ、愛を込めて『京介お兄ちゃん』と呼ぶがいい」 「………………キモ」 清楚系美少女にキモイって言われると、なんだかゾクゾクするんだよなぁ。 そんな内心はおくびにも出さず、俺は桐乃を注意する。 「その発言は減点だな。いいか? これは罰ゲームなんだぞ」 「うっ…………」 「ほら、やり直し」 鬼教官の如く駄目出しをすると、 「わ、わかったわよ! …………やればいいんでしょやれば」 「うむ、ではどうぞ」 「きょ、京介――――お兄ちゃん」 「……っ……!」 聞いた? …………やばいってこれ。破壊力がありすぎて心臓止まるかと思った。 羞恥に頬を染めた桐乃が聞いてきた。 「…………満足した?」 おう、満足したよ。その気持ちを桐乃に伝えなきゃな。 心からそう思って、俺は口を開いたのだが、 「桐乃」 「……なに?」 「結婚してくれ」 「なっ…………!?」 気付いたら妹にプロポーズしていた。 「ちょ……な、なんでそうなんのっ」 叫んだかと思いきや、今にも掴みかかってきそうな勢いで詰め寄ってくる。 そんなにくっつくなよ。…………ドキドキしちゃうだろ。 俺は平静を装い、言い訳を探す。 「違う違う。いまのは『満足した』って言おうと思ったのを、思わず間違えちゃったんだよ」 「どこをどう間違えたらそうなったわけ?」 「誰だって言い間違えることくらいあるだろ」 「……そういうレベルじゃなかったと思うんですケド」 いちいち細かいやつだなあ。 「なあ」 「なによ、お兄ちゃん」 投げやりに返してくる桐乃。 「デートしようぜ」 「……………………」 というわけで、デートである。 デートコースはいつも通りアキバに決定した。 しかし長くなるので、デートの詳細は省かせてもらう。 軽く説明だけしておくと、妹の買い物に付き合って、メイド喫茶に寄って、ゲーセンでプリクラを撮った。 そうだな…………全部省略するのもなんだから、プリクラのくだりだけ紹介しよう。 ゲーセンに入ってから、こんなことがあった。 ――俺たちは対戦ゲームで熱戦を繰り広げていた。 本日の対戦筐体は、お馴染みのシスカリではなく『FIGHTING CLIMAX』という新作ゲーム。俺の妹にそっくりな美少女中学生と、黒猫そっくりの邪気眼美少女が登場する、奥深い対戦格闘ゲームだ。 俺は妹似のキャラを使い、桐乃は某電脳世界のヒロインそっくりのキャラを使用。 妹はこのゲームを何度かやったことがあるらしく、満足にキャラも動かせない初心者の俺は、一方的に痛めつけられる結果となってしまった。 現在は対戦を終えて、フロアを移動中―― 「へっへー、弱すぎ」 「ほっとけ。おまえだって黒猫と勝負したら勝てねえくせに」 「いやいや、あれはあいつがおかしいんだって。あたしが弱いわけじゃない」 それは一理あるけど、おまえ沙織にもシスカリで負け越してるじゃん。あんまり強くないってことじゃん。 そう考えると、どれだけ俺が弱いんだって話にもなるわけだが、シスカリに限って言えば俺と妹の実力はほぼ互角である。 と―― 「あっ! メルルの新しいぬいぐるみ!」 桐乃がクレーンゲームに駆け寄った。 「おまえ、よく一目見て新しいって分かるな」 「メルルファンならとーぜんっしょ!」 嬉々として答える桐乃。 「ふうん……」 俺にはどこが違うのか判断できないが、ファンには簡単に区別がつくものらしい。 ぱっと見たところ、メルルは最後のひとつのようだ。やっぱ人気あるんだな。 「ねぇねぇ、これ取ってよ」 「なんで俺がおまえにぬいぐるみ取ってやらなきゃいけねーんだよ」 「だって、今日はデートなんでしょ? メルル取ってよ、お兄ちゃん」 可愛くおねだりされてしまった。…………どうすっかな。 「……デートなんだから、もっと他のことしようぜ?」 「え~? …………ケチ」 唇を尖らせて、拗ねる。 できれば取ってやりたいけど、俺こういうゲーム上手くねーんだよ。 何千円も使ったあげく、筐体に八つ当たりしてしまうような―――― 『ぶっ壊れてんじゃねぇのかこの機械! おかしいだろ! なんで取れねーんだよクソックソッ!』 『ちょ、恥ずかしいから大声出さないでよ!』 ……こんな結末が見えた。今日はお助けキャラも来ないしさ。 「う~ッ」 ぷくっとほっぺを膨らませて唸る妹。やめろ、それ以上マル顔になってどうする。 すっかり機嫌を損ねてしまった彼女に、俺はこう提案した。 「そうだな――じゃあプリクラでも撮るか」 帰宅後。 風呂から上がった俺は、ベッドの上で妹の部屋に繋がる壁を眺めていた。 今日は充実した一日だったな。握っていたプリクラに目を落とす。 思わず笑みが零れてきた。 「これも、人には見せらんねーな」 だってさ、これ、どう見たって―――― と――そこでドアがノックされ、妹が部屋に侵入してきた。 「入るよ」 「入ってから言う台詞じゃねぇな、それ」 「ふ~、いいお湯だった」 俺のツッコミを無視した桐乃は、そのままベッドに腰を下ろした。パジャマ姿である。 「あっ、プリクラ見てたんだ」 「まあな」 「どうせ、寂しくなって感傷に浸ってたんでしょ?」 「……………………」 ……鋭いなこいつ。 「あれれー? もしかしてほんとにそうだったワケ~?」 この言い草! 明らかに分かってて、おちょくってやがる……。 「……悪いかよ」 「ふひひっ、お兄ちゃんかわええー!」 「あああああああああああっ! 殺せ! いますぐ俺を殺せっ!」 恥ずかしすぎて、顔から火が出るかと思った。 くそぉ……こんな羞恥プレイがしたかったわけじゃないのに! 俺はただお兄ちゃんプレイがしたかっただけなのにっ! 充実した一日から一転して、黒歴史になった瞬間である。 「あー、楽しかったぁ」 「…………で、なんか用かよ?」 俺は、涙目で妹を睨みながら問うた。 「いやぁ、あんたが寂しがってるだろうから、久しぶりに一緒に寝てあげよっかなーって」 「………………マジで?」 めちゃくちゃ驚いた。 ついこの前まで『兄妹なんだから』と、やけにガードの固くなってしまった妹の発言とは思えないお誘いだ。 不意打ちでキスしてやった日なんか、家に帰ってからガミガミガミガミ――――超うるさかったしさ。 ちなみに、あまりにも説教が長かったので、もう一度キスをしてやったら桐乃は静かになった。お口にマウスだ。 ――そんな妹が添い寝のお誘いをしてくれている。 「そのかわり、あんたがいくらよっきゅー不満だからって、あたしが寝てる間に変なことしちゃダメだかんね?」 桐乃は腕で自分の身体を抱き、警戒心を剥き出しにしてそう言った。 それを見た俺は内心で、『この自意識過剰女イライラするなぁ』と思ったのだが、紳士的にこう返した。 「しない、しない。したこともない」 「……………………」 視線が痛い。 「あんたさー、あたしの胸さわったことあったよね?」 「……覚えてないなあ」 俺は、目をそらしながら答える。 ずずい――と顔を近づけてくる桐乃。 「ふーん、へぇー、覚えてないんだぁ」 「……いいか桐乃、俺は寝ている妹の胸をつんつんしたこともなければ、抱きついてくんくんしたこともない」 「………………」 「もちろん、なかなか起きないから今日は大丈夫かなぁー、とか調子に乗って胸を揉んだことなんて一度もない」 「へえ~…………それは初耳なんですケド」 「……はっ……!」 つい余計なことまで口走っちまった! 半目で睨みながら、妹が追求してくる。 「……何か言うことは?」 「おまえのおっぱいってすっげー柔らかいよな。驚いたわ」 「だ、誰が感想を言えと言った――ッ!?」 憤死しそうな勢いで、的確なツッコミを入れてきた。 こいつを恥ずかしがらせるのって実は超楽しいんだよね。ここからは完全に悪ノリ。 俺は桐乃の繰り出したパンチを軽くあしらい、 「オヤオヤ、褒めてやったんだからよろこぶがいい」 「む、胸の柔らかさを褒められて、よろこぶ妹がいるわけ――ないでしょ!」 「お兄ちゃんは、おまえの成長を肌で感じることができて嬉しかったよ?」 「うぇ…………本格的に駄目だコイツ……」 えへへ………………本気で気持ち悪がられちゃった。 ……ここまできたら、もう開き直るしかない。 だから俺は、逆ギレ気味に言ってやったよ。 「うるせーなぁ、無防備に寝てるおまえにも責任はあるだろ」 「……起きてたし」 「おまっ…………! 起きてたんなら寝た振りすんなや!」 俺の紳士力を、試すようなことばっかしてんじゃねーよ! だから事故が起きるんだ! 「うっさい! あんたがエッチなことしようとすると目が覚めちゃうのっ!」 「そいつは便利な機能だな!」 「てかっ、一緒に寝るの! 寝ないの! どっち!?」 「そんな脅迫まがいの誘惑があってたまるか!」 とまあ―― いつものように兄妹喧嘩はしたものの、結局二人並んで眠ることとなった。 添い寝の条件として出された『おさわり禁止』を、俺は飲まざるを得なかったが。 しかもひどいことに、『向かい合って寝たら胸さわるでしょ?』――というあらぬ疑いをかけられ、桐乃はそっぽを向いて寝てしまったのである。 ……………………。 一時間くらい経っただろうか。 なかなか寝付けなかった俺は、背中を向けて眠る妹を眺めていた。 「……………………」 ちょっとくらいケツさわっても起きないかな? 欲望がムクムク湧き上がってきたところで、 「ねぇ、まだ起きてる?」 と――妹が話しかけてきた。 起きてたのかよコイツ。ふぃー…………危ないところだった。よく頑張った、俺の理性。 「……起きてるぞ」 「…………いまね、昔のこと思い出してた」 「何を?」 「あんたさ、あたしに言ったじゃん? 『妹』と『彼女』は、たいして変わんないって。……覚えてる?」 言った。よく覚えてる。 あれは確か…………偽装デートの帰り際だったか。 「そんなこともあったな」 「うん…………あの時、あたしすっごい怒ったっしょ」 『ちょうキモ……妹もののエロゲーのやりすぎじゃん?』 「ははっ、突き飛ばされたっけ」 「…………ごめん」 後ろを向いてるから顔は見えないけど、しゅん――としてしまったようだ。 俺は桐乃の頭に手をやり、ぽんぽんと撫でてやった。 「怒ってねぇよ。どうしたんだ急に?」 「……あたし勝手に勘違いしちゃったけど――あんたが言いたかったのって、もっと別の意味だったんじゃないかなって」 そこで桐乃はこちらに向き直り、こう言った。 「『兄貴』と『彼氏』ってたいして変わらないなー、って思っただけ」 互いの熱が届きそうな距離――妹の鼓動が伝わってくる。 「そーだな、その通りだぜ」 「じゃあ……最後まで、責任とってよ」 暗闇の中―― 兄妹はいつまでも見つめ合っていた。 翌日。春休み最終日。 明日から、俺たちはそれぞれの学校へ行くことになる。 桐乃は高校生になるし、俺も大学生になる。 その前に集まろうということで、『オタクっ娘あつまれー』でお馴染みの、沙織と黒猫が我が家にやってきた。 「ちょっと、早く飲み物用意してよ」 「へいへい」 リビングにお菓子なんかを用意して、ちょっとしたパーティーのような様相。 飲み物係に任命された俺は、四人分のジュースを運ぶ。 「それでは皆様方、準備はよろしいですかな?」 全員が着席したのを見計らって、バジーナファッション(今日はそういう気分らしい)に身を包んだ沙織が音頭をとる。 「きりりん氏と京介氏の門出を祝って――」 「「「「かんぱーい」」」」 桐乃と黒猫がだべり始めた頃、沙織が小声で聞いてきた。 「京介氏、きりりん氏とはその後どうなっているのですか?」 「どうもこうも、見ての通りだよ」 「それは、『どう見ても恋人同士だろ』という惚気でござるか?」 ……………………。 「なんでそうなるんだ」 「拙者にはそういう風にしか見えないもので」 「……そうかい。やっぱりおまえの眼鏡は度が合ってねえな」 俺が皮肉っぽく言うと沙織は眼鏡を外し、「そうかもしれませんわね」と、いたずらっぽく微笑んだ。 するとそこで―― 「うんまーこれ! あんたの料理マジうまい! 絶対いいお嫁さんになるって! ってか、あたしの嫁に来いっ!」 黒猫の作ってきた和菓子を喰った桐乃が、親友にプロポーズをしていた。 「ほ、ほめても…………なにもでないと言ってるでしょう……」 「いーじゃん。おねがぁーい」 おまえはどこのナンパ野郎だよ。友達を口説くんじゃない。 「ま、まったく、仕方のない雌ね……考えておいてあげるわ」 おまえも釣られてんじゃねーよ。しかもなんでちょっと嬉しそうなんだ。 桐乃もニヤニヤしてるし、見てるこっちが恥ずかしいわ。 と――妹と目が合った時だった。 「あっ、お兄ちゃんも食べる?」 「「「!?」」」 「――――はっ」 凍りつく俺たち。 「あ、あなたいま……『お兄ちゃん』って……」 「ち…………ちがっ」 「いやはや、お兄ちゃんプレイとは、きりりん氏も業が深いですな」 「だから違うっつーのッ! いまのは『京介』って呼ぼうとしたのを、思わず間違えちゃっただけだしっ」 俺にはおまえの気持ちが分かるぜ。 あるよね、そういうこと。 「どこをどう間違えたらそうなったのか、詳しく聞きたいわ。それともあなた、心の中では『お兄ちゃん』呼びなのかしら?」 「だ、誰だって言い間違えることくらいあるじゃん? それに『お兄ちゃん』呼びだったのは『小学校二年生』までだもん!」 焦った桐乃は、盛大に自爆した。 「ほほう…………それも興味深いお話ですなぁ」 「あっ…………うぅ~ッ」 「この際だから、昨日メールで自慢してきたプリクラの写メの件。この話もここでしてしまいましょうか」 「あ、あれはっ、京介が無理矢理撮ろうって! ごーいんに連れてかれたのっ!」 「ふうん……ところで、昨日は兄妹で一緒に寝たそうね?」 「きょ、兄妹なんだから一緒に寝るくらい……ふつーじゃん?」 「あなたのようなビッチがこの世に存在していていいのかしら? まったく世も末だわ。ねぇ、沙織?」 「はっはっはっは――! 黒猫氏、拙者こんなこともあろうかと、実はきりりん氏のために京都の老舗店から赤飯を用意しているのでござるよ」 「はぁ――!? 嘘でしょ!?」 「あら、おめでとう桐乃。予定日はいつ頃?」 「何の!?」 おまえらそれ以上、俺の妹をいじめてやってくれるな。半泣きになってるじゃねぇか。 収集がつかなくなった桐乃は、俺に助け舟を求めてきた。 「あんたも見てないで助けてよ!」 「ったく――やれやれ、しょうがねーな」 手のかかる妹だ。 「勘違いするなよおまえら、俺は桐乃に『お兄ちゃん』と呼ばれたところで、『妹萌え』とやらは理解できなかったぞ」 まったく、めんどくさいったらないぜ。 「そのわりにはすっごいニヤニヤしてなかった? どの口がそんなことゆってんの?」 「こっちを見ないでくれるかしら。不快だわ」 「俺を糾弾するときだけ団結するのやめて――!?」 しかし俺はそんな妹を見て、いつものようにこう思っちまうのさ。 俺の妹がこんなに可愛いわけがない――ってな。 おしまい。
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伝言板過去ログ1 2010年12月~2011年4月 2010年12月 2011年1月 2011年2月 2011年3月 2011年4月 EOF 2010年12月 改行 の てすと SS感想用にも用意した方がいいのかな? -- かんりにん (2010-12-31 04 20 07) 2011年1月 ここミスってね?とかあったらどんどん指摘お願いしまーす -- かんりにん (2011-01-01 22 27 01) 21スレ更新乙です! -- 頑張れ!きりりん (2011-01-05 06 48 09) 乙ありでーす。今日もスレの勢いが凄いですよねー。 -- かんりにん (2011-01-06 00 45 35) いつも本当にお疲れ様です。誰でも編集できるwikiは、だからこそ管理人さんが居ると居ないのとでは大違い。有難いです -- 名無しさん (2011-01-06 09 29 28) お言葉どうもです。スレのみんなで良いwikiにしてきましょー。 -- かんりにん (2011-01-07 22 15 23) ロダ落ちた? 403になってるね -- 名無しさん (2011-01-15 14 45 53) 落ちてましたね。 無料だから仕方ないかもですが、あんまり強くはない模様… -- かんりにん (2011-01-15 21 50 28) SS増えたねー♪大量の更新、お疲れ様です。 -- 名無しさん (2011-01-20 21 15 05) iPhone4から見てるんだけど、何故か画像が表示されない… 昨日までは表示されてたのに…何故だ… -- 名無しさん (2011-01-20 22 00 33) 乙ありでーす。 -- かんりにん (2011-01-22 16 35 28) アップローダーのですか? iPhoneの方 その時間帯だと重いことが多いので、それが原因かもしれません。 -- かんりにん (2011-01-22 16 37 06) いえ、トップ画や挿絵などがいつ開いても表示されないんですよ… ?マークになってます… -- 名無しさん (2011-01-23 12 51 52) こちらでもスマートフォンと何台かのPCでも確認してみたのですが、 どれも正常表示が可能でした。 お使いのiPhone側の問題か、@wikiの仕様が突然変わったのかもしれません。 iPhoneは使用経験が無いため確かなことは申し上げられませんが、 ブラウザの設定やキャッシュ等を確認してみて頂き、それでダメなら… うーん、仕様と思って諦めて頂くしかないかも。 あまりお役に立てず申し訳ないです。 -- かんりにん (2011-01-23 23 51 27) 管理人さんが頑張りすぎで泣いた。せっかくwikiなのに編集手伝えてなくて申し訳ない。SSがいつでも繰り返し読めてすごく充電になってます -- 返信不要ですよ (2011-01-25 22 51 11) 2011年2月 大量の更新乙乙でーす! -- 頑張れ!きりりん (2011-02-03 05 56 47) Zありでーす。 反応遅めで申し訳ない。 きりりんのようにがんばらんとー。 -- かんりにん (2011-02-06 02 37 03) SSも随分ふえましたよね。更新乙です。 そろそろSS一覧もページ分けたほうがいいのかもですかね? こう1-20スレ 20- みたいな感じで。ただ量が量になってきてるから大変ですよね(^^;) 難しいところですねぇ -- 名無しさん (2011-02-06 07 27 45) 乙ありです。 確かにそろそろ分けた方がいいかなとは、作業をしていても思いました。 20スレごと程度がちょうど良さそうなので、それでやってみます。 現在画像を加工中…絵師さんには感謝感謝。 -- かんりにん (2011-02-06 22 08 47) wiki復旧お疲れ様でした。 こまめに管理してくれる管理人さんには頭が下がる思いですよホント。 SS関係もテンプレが出来てから変な論争にならず平和でいいことです。 -- 名無しさん (2011-02-08 19 20 21) どもです。 今回は経路障害だったらしく、データは無事で助かりました。 6日分が吹っ飛んでたら、涙ちょちょ切れてたかも… SSも気兼ねなく投稿できるようになって良い感じですよね。 -- かんりにん (2011-02-08 22 09 33) 乙です。一日辺りの更新量を考えると、飛んだらホント、大変ですよね。 今後も、wiki管理、宜しくお願い致します。 -- 名無しさん (2011-02-08 23 35 38) 乙ありです。 今後は更新時に毎回バックアップをローカル保存しておこうかと思います。 そうすればもしもの時、多少なりとも復旧速度を上げられるかな、と… -- かんりにん (2011-02-09 23 00 48) いつもご苦労様です。 今回追加のAAも可愛くていいですね~ そしてきっと誰かが「兄専用」「妹専用」魔改造する未来も見えて2828しちゃいますなw -- 名無しさん (2011-02-09 23 23 25) どもども。 新AA、可愛いですよね。 魔改造は誰かやってくれるかな? -- かんりにん (2011-02-12 14 19 34) 魔改造は管理人さんが一番得意なのでは?w いつもホントおつかれさまです。ここの充実ぶりは桐乃好きにとってとても貴重ですよ -- 名無しさん (2011-02-12 19 01 54) いやいや、私はしょせんにわかですのでw 乙ありがとうございます。 凄い励みになってます。 -- かんりにん (2011-02-13 23 48 44) いつも管理ご苦労様です。 おお、早くも5万Hitとは。早い早い。 これだけ人が来てくれるというのも嬉しいですよね。大半がスレ住人でしょうケドw 8巻発売まではまだ期間がありますがゆっくり頑張っていきましょ~ あ、後、誰にも触れられなかったような小ネタまで拾っていただいてありがとうですw>脚線美 -- 名無しさん (2011-02-14 01 45 53) どもです、遅レス申し訳ない。 連日凄いアクセス数でびっくりです。 元々スレ住人の寄り合い所みたいなイメージで作り始めたものですから、 もっとこじんまりとした感じになるとばかり思ってました。 と言うか、そもそも住人の数自体が凄いってことなのかも。 小ネタもできるだけ拾えるように頑張りますー。 -- かんりにん (2011-02-18 02 09 22) ものすごい量の更新ですね…ほんとお疲れ様です。 スレ民ではないですが、桐乃好きとして毎日楽しみにしています。 自分は編集などさっぱりなので、まとめてくださっている方(々?)には非常に感謝しています。 おかげさまで高坂兄妹栄養不足にならずに済んでいますw いつもいつもお疲れ様です&ありがとうございます。 -- 森めめんと (2011-02-18 05 13 11) アニメ終わってSSの量も落ち着くと思っていたのに、むしろ増えてますもんねw この盛況ぶりは少なからずこのまとめwikiのお陰ですよ。編集してくれる方に心から感謝 -- 名無しさん (2011-02-18 10 44 14) 20スレ超えた辺りから一気に増加の傾向がみられますな SS 既に1-20までの量と変わりない数が30スレ行かずに投下されてるとか この調子だと40までおくより30で一度切ったほうがよさそうですね(^^;) 編集を手伝えればいいのですが下手にいじくってページを壊してしまうことを考えると難しいんですよね… 最後に、いつも更新お疲れ様です。 -- 名無しさん (2011-02-18 10 51 31) 乙ありでーす。 21スレ以降のSS一覧は10ごとに変更してみました。 今の投下ペースだと、とりあえずこれくらいでちょうど良いかなと。 アニメ終了後もSS投下され続けてる(しかも増えてる)って、確かに凄いですよね。 ここがそのお役に立っているなら、まとめる側としても嬉しい限りです。 あと、別にスレ住人じゃなくても全然オッケーですよー。 気が向いたらスレにもきて下さいねー。 -- かんりにん (2011-02-21 00 47 05) 管理人さん、 いつも更新お疲れ様です&お世話になってます スレ書込みしようとしたら規制くらって あぷろだにSSだけ投稿したした人です。 ここ見てるかわかりませんが、URL貼付してくれた人、どうもです。 -- 名無しさん (2011-02-21 22 48 21) 乙thx 最近規制多いですよねぇ… 他にも書き込めない住人がいるのかと思うとやきもきしちゃいます。 でも、ここやろだならそんなことありませんから、 伝言板なりろだのコメントで代理で投下よろーって書いておけば、 今回みたいに誰かが代わって投下してくれると思いますよ。 元々この掲示板はその手の規制対策用としての利用も視野に入れてましたので、 遠慮なく使っちゃって下さい。 -- かんりにん (2011-02-22 01 06 50) 小ネタまで全部拾うとか……凄すぎっしょ しかもエロパロ系とかちゃんと注意書きしてくれてるし 管理人さんに頭が下がりっぱなしです SS職人さんはwikiを活力源に、スレで確実に己を磨いていると思います -- 名無しさん (2011-02-28 15 33 26) 30スレ目の989投下した者ですけど 管理人さん指摘してくださって有難う御座います。 削除した方がいいって意見多いなら私は構いませんので~ 今後指摘内容を参考にして投下するときは気をつけます。申し分けないです。 -- 名無しさん (2011-02-28 21 06 19) 898については、特に問題ないと思いますよ。 ラブホやら何やら確かにネタはアレですけど、本番とかがあるワケでもないので、R-15程度で問題視する必要は無いのでは? -- 名無しさん (2011-02-28 21 30 05) 訂正。 R-15程度→R-15程度の表現であれば -- 名無しさん (2011-02-28 21 31 22) 2011年3月 2011-02-28 21 06 19コメした者ですけど・・ごめんなさい!989と898見間違えてました・・・ みなさんと898の作者さんごめんなさい>< -- 名無しさん (2011-02-28 21 44 19) 少し真面目に書きます。 多少長くなりますが、ご容赦下さい。 どこまでがokで、どこからがNGなのか。 これは極めて難しい問題です。 例えば完全な性行為などは当然NGにしても、”ギリギリ”はどうなのか。 今回も私がR18相当と判断する一方、R15相当と判断する方もいるように、 数値化できない以上、結局は各人の主観でしか判断できないからです。 そもそも、「エロゲーが好き」なキャラクターのスレです。 くんかネタしかり、性的ニュアンスを含んだネタが扱われるのも当然であり、 それ自体は何ら問題ないと考えています。 しかし、それでもやはり、あまりに露骨な描写を含む場合、 それは投下先を選ぶべきではないかと思うのです。 実はwikiに掲載すべきか否か、悩んだ作品はこれが初めてではありません。 しかし、編集を行っている私が監視者のように振舞ってしまうことで、 スレの自由な雰囲気を損ねてしまうのではないかとの思いから、 そのことについては触れず、スレでの反応などを考慮した上、 問題ないと判断して掲載を続けてきました。 ですが今回、京介が下着に触れてからの描写は行き過ぎと感じたため、 これを機に問題提起させて頂いた次第です。 当然この「行き過ぎ」というのも私個人の主観に基づく判断に過ぎず、 客観的なものであると主張するつもりはありません。 あくまで一意見として受け取って頂ければと思っています。 ただ、管理人がこのような見解を示したことで、大なり小なり、 職人の方々へ束縛感を与えてしまったかもしれません。 ですが、私自身も以前はSSを投下していた身として、 作り手の自由を奪うような真似をしたいと思っているわけではありません。 その事はご理解頂ければ幸いです。 -- かんりにん (2011-03-01 23 45 51) 編集お疲れ様です。確かに難しい判断になりますよね。 私の考えでは、該当作品は際どいですがこのまとめに収録されててよいと思います。 兄パンクンカの延長と理解しています。 今回のことで思ったのですが、かんりにんさんに「おんぶにだっこ」状態で甘えていて申し訳なかったです。 今後何か判断や協力を求められるようなことがあれば、喜んでお手伝いしていきたいです。 最後になりますが、以前「※ネタバレ注意※」という話を書いた後、 SS一覧にて「ちょっと切ない…けど温かいお話」と的確なフォロー注釈を入れていただき 大変感謝しております。この場を借りてお礼申し上げます。 これからもどうぞ、よろしくお願いしたします。それでは -- 名無しさん (2011-03-02 05 28 19) 確かに線引きが難しい部分ではありますよね。 大人の視点からすれば大丈夫でも、子供(主に中高生)からみたらこれはどのレベルでとらえられるか? ここを見ているのが大人ばかりではないというのが実際なわけですし。ともすれば小学生が見ている可能性もあります。 そういう見方も必要だと思いますし。 そういう意味では今回は確かにかなりギリギリ、もしくはアウトだったかもしれませんね。 正直に言ってしまえば、スレ掲載当初、「これ、大丈夫なのか…?」と思いもしましたので。 下着という部分も、男性用と女性用では大分印象が変わると思いますし。 今後もそういう部分は出てきそうですね。 もし迷うようならここで聞いてみるのもありかもしれません。 自分含めここを見ている人もいるわけですし、掲載の際に少しでもお力になれればと思います。 管理人さんには感謝こそすれ反感等は特にないと思いますよ。 いつも本当にありがとうございます。これからもよろしくお願いします。 -- 名無しさん (2011-03-02 17 27 37) どうしていくか、提起にまたとない機会だったと思います 俺妹は幸運なことに、エロパロやVIPのSS専用スレといった作品投下先が確立していますし 桐乃スレはじめ各キャラスレと、原作スレも小ネタや短編ならSS投下を受け入れています しかもエロパロ、VIP、原作スレと此処には専用wikiがあり(此処以外は自分で編集する場合が殆どですが)投下作品の収集保存場所もあります 管理人さんの仰る通り、作品の内容に伴って、各自で投下場所を選ぶことが最善だと思います -- 名無しさん (2011-03-04 01 12 23) 遅くなって申し訳ありません。 皆さん、ご意見ありがとうございました。 ひとまず今回の作品はこのまま掲載を続けることにして、 再び判断に苦しむようなことがあれば、 その際はご意見募らせて頂ければと存じます。 また、暖かいお言葉もありがとうございます。 自分のものではない作品にタイトルや注釈を付けるのは、 実は結構なプレッシャーを伴う作業なのですが、 意に沿ったものであったのなら安堵しました。 現状、私自身wikiは手探りでやっていることもあり、 とりあえずほとんどの作業を自分主導で行っていますが、 いずれは誰もが気軽に編集できる状況を整えられたら、と考えています。 現状ですとなかなか手を出し辛い面もあるでしょうから、 まずは練習用ページなど作ってみたら良いかもしれませんね。 とまぁ、ここまで堅苦しく書いてみましたが、基本、 私は桐乃スレの自由な雰囲気を好ましく思ってますので、 今後も誰もが自由に作品投下できる状況が維持されて欲しいです。 ただ、それがギリギリな作品の場合、投下先としてふさわしい場所なのかどうか、 最後にもう一度確認するようにしたら良いんじゃないかなって感じでーす。 -- かんりにん (2011-03-06 03 16 57) 以前『高坂桐乃クンカ症候群:29スレ目89,98,103 .』ネタをレスした者です。 K4が小文字だったのと、K1とK2の間隔を直しました。 あと関連レスを追加(レス番120)したので、タイトルにレス番120を追加していただけるとありがたいです。 -- 名無しさん (2011-03-13 09 02 41) 修正ありがとうございます。 こちらもタイトルとSS一覧に120を追加しておきました~。 しかしこのwiki、ページ名を変えると新ページ扱いになるのか、 カウンターがリセットされちゃうのが残念仕様?ですね。 -- かんりにん (2011-03-13 13 33 37) 100000Hitおめです~ 出来た当時は流石にこの速さでカウンンター回るとは思ってませんでしたねw これも職人さんや管理人さん、何よりきりりんのおかげですねw -- 名無しさん (2011-03-15 22 42 05) ホント、まさかこんなにアクセス数が増えるなんて。 これもきりりんの魅力の成せる業、ですねw -- かんりにん (2011-03-18 00 18 05) 1ページ作ってみてなんとなく要領がわかったので、前スレ分だけでもと思ってまとめていたのですが必要なさそうですかね。 タイトル個別とSS内容のみで分けてまとめてあるものがあるので、余計なお世話かもしれませんが必要でしたらロダにあげますよ~ -- 名無しさん (2011-03-26 17 29 55) 連投ですいません。一応ですが先にzip形式でロダにうpしておきました よければ使ってやってください。No.524になります。少しでも編集の負担が減ればと思いますです -- 名無しさん (2011-03-26 18 07 02) おおー、ありがとうございます! これは助かりますよー。 ありがたく使わせて頂きますね。 -- かんりにん (2011-03-26 20 29 05) 更新お疲れさまです やっぱり自分が編集しなくてよかったとホッとしていたりw かんりにんさんのタイトルのセンスは流石だと思いました -- 名無しさん (2011-03-27 23 18 39) 今からちょっとだけ保管庫に追加してみようかと思います。タイミング悪く重複したらすみません。 -- 名無しさん (2011-03-28 00 02 00) とりあえず、271-386の、タイトルの有るSSのみ追加してみました。(287-289,350,352) 小ネタは扱いが難しく断念しました…管理人さんのセンスにただただ脱帽です。 間違い等ありましたら、申し訳ありませんが、訂正削除等、宜しくお願い致します。 -- 名無しさん (2011-03-28 00 30 01) 525までタイトル付きのSSを追加しました。 458-460にもSSがあったのですが、タイトルが無く、また432~の流れの一環とすべきか迷ったため、棚上げにしました。 小ネタについては、前回更新分と合わせて、34スレ271-525の分を拾えていません。こちらも宜しくお願いします。 -- 名無しさん (2011-03-29 13 54 11) 支援ありがとうございます~。 今後もこんな感じで上手い具合に回せていけたら良いかなと思ってます。 センスは全然ですよー。 やはり理想としては、書き手の方自身に付けて頂けるのがベストですね。 練習帳も早速お試し頂けているようで嬉しい限り。 今は消えちゃってますけど、関連動画やイラスト情報等も面白いと思いました。 掲載基準をどうするか等々、課題もあるかとは思いますが、 より充実したwikiにできる可能性を感じました。 こんな感じでどんどん試してみて貰いたいと思います。 -- かんりにん (2011-03-31 02 35 06) 2011年4月 35スレ69までSSを追加しました。 70~もSSがありましたが、タイトルが無かったため、管理人さんにお願い致します。 尚62は、元々のファイル名から付けました。作者の方が見ておられまして、タイトルに問題がありましたら、 タイトルを変えて欲しいとの要望は、管理人さんまでお願いします。 (ページの削除、並びにタイトルを変更できるのは管理人さんのみと設定されています。) -- 名無しさん (2011-04-01 16 39 20) 35スレ250までSSを追加しました。 70~も、恐らく作者さんが追加してくださったので、ここまでのSSは全部収録できたかと思います。 小ネタについては、収録できていません。宜しくお願い致します。 -- 名無しさん (2011-04-03 18 36 20) 乙でーす。 こちらも35スレ目70-73への挿絵追加と、35スレ目の275までのSSを抽出しました。 ページ名変更や削除は現状だと管理人しかできませんが、 必要があれば新ページとして作成しちゃってもokです。 ただその場合、どれを変更したかここでお伝え頂けると助かります。 -- かんりにん (2011-04-04 00 31 18) 更新ご苦労様です。 毎度小ネタのタイトルつけのセンスには驚かされますw 8巻も発売までひと月。これからもきりりんを愛でていきたいですな -- 名無しさん (2011-04-06 23 12 10) 35スレ目の673までSS追加しました。 あと、タイトル名ミスったので変更お願いします。 × 【SS】欲しいものは……?:35スレ目673 ○ 欲しいものは……?:35スレ目673 -- 名無しさん (2011-04-07 23 45 47) 乙あり 乙です。 いやー、タイトルはまだまだスマートさに欠けてるかなーと。 スレも表紙とあらすじの影響が出ているようですが、何はともあれ今は待つしかないですね。 35スレ目673の方は修正しておきました。 そろそろこのwikiもメンバー募集しても良いかもですねー。 と言っても私がまだ追加を試したことが無いのでアレなんですけど、 この週末に確認しときますので、よろしければ「このウィキに参加」から情報をお送り下さい。 ログインユーザになると編集時に文字入力が必要無くなったり、 モード変更ができるようになるので作業が楽になります。 頻繁に編集して下さってる方には便利かと。 -- かんりにん (2011-04-08 01 55 31) いつもお疲れ様です 36スレ目734にあげたSSを保管庫2にあげなおしておいたので編集時にご確認ください いつもお世話になっておりますが、これからもよろしくお願いします 近々今まで書いてきたSSの誤字脱字の修正をしようと思ってます 一度に大量にするつもりは無いですが、そのときはログが流れるかもしれませんがご容赦を -- 名無しさん (2011-04-11 07 33 52) 800までのSSのみ追加しました。小ネタはお願い致します。(527以降) -- 名無しさん (2011-04-11 14 11 11) 乙あり&乙です。 こちらも時間が取れ次第、小ネタの方にも取り掛かります。 修正は何時でもokです。 ご自由にどうぞ。 -- かんりにん (2011-04-12 01 36 24) 少しだけSSの誤字脱字を修正しました。 また、現行スレが http //yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1302600714/l50 【俺妹】高坂桐乃 他の娘を37いでよ、京介… にかわっております。wikiユーザー様、申し訳ありませんが編集お願い致します。 -- 名無しさん (2011-04-12 20 54 27) 乙でーす。 こちらも一通り編集しときました。 -- かんりにん (2011-04-13 01 24 14) みなさま、かんりにん様、いつもお疲れ様です&ありがとうございます。 早速のアップおよび、37スレ目の306の修正ありがとうございます。 安易なスレへのアップは、こういう手間を増やしてしまうのですね。 すいませんでした。反省です。勢いにまかせずにもう少しチェックしないと……。 そんなわけでムリしないでくださいませ。 -- 名無しさん (2011-04-18 00 43 11) 37スレ目835までのSSを追加しました。 抜けがあればどなたか補完お願いします。 あと、タイトルをミスったので修正お願いします。 × 運命の相手:37スレ目773- ○ 運命の相手:37スレ目773-774 -- 名無しさん (2011-04-19 15 00 59) お疲れさまでーす。 37スレ目の924までで小ネタを2つばかし追加しときました。 修正に関しては今回は余裕があったのと、修正箇所がはっきりしていたので、 勝手ながらこっちでやっちゃいました。 ミスは無いに越したことはありませんが、あまり気になさらずに。 -- かんりにん (2011-04-20 00 59 45) 38スレ911までSSのみ追加しました。 -- 名無しさん (2011-04-26 21 06 55) 39スレ400までのSSのみ追加しました。 38スレ342-39スレ400までの小ネタが拾えてない事になります。 流れが速くて中々大変な気がしますけど、宜しくお願いします。 -- 名無しさん (2011-04-28 09 44 45) 遅くなって申し訳ないです。 SS追加に新スレへのリンク修正等、色々対応して頂いてありがとうございました。 こちらも39スレ目582までのSSと、過去ログ登録まで一通り完了しました。 連休と8巻の関係でさらに加速する可能性もありますし、 事前にSS一覧41-も作っておいた方がいいかもですね(画像はもうできてます)。 あと、以前iPhoneで画像が表示できないとご報告頂いた件、 私もiPhoneを入手したので再現できました。 現在検証中。 対策方法を確認出来次第、既存の画像を全て修正します。 iPhoneユーザの方、ご不便お掛けして申し訳ありませんでした。 対策が済んだらスレにも報告しますので、もうしばらくお待ち下さい。 -- かんりにん (2011-04-30 00 56 19) 編集いつもお疲れさまです。 ちょっと提案なんですが、絵画ギャラリーを新設とかできないですかね? 絵師さま方の絵がSSのおまけでしか見れないのはもったいない気がします -- 名無しさん (2011-04-30 07 01 37) ページを作る事自体は簡単だと思いますけど、ページ内埋め込みは容量の問題があり (出来るかどうかわからないですけど)ロダのファイルを直接だと、ロダの負荷が大きいですね。 サムネ+ロダへのリンクという手段は有るかと思いますが………どうでしょうか? ためしにテストページ作ってみます。ただ、画像は色々負荷が大きいので、基本は各自が保存することかと。 -- 名無しさん (2011-04-30 13 48 36) >かんりにんさん すみません、ファイルのアップロードを間違えてしまいました。 test-06にある、2778.jpgと2784.jpgの2ファイルの削除をお願い致します(先頭にsのついていないもの)。 test-06に絵画ギャラリーらしきものを作成してみました。(まだ途中) だいたい1サムネ20KB程度なので、40~50ファイルで1MBに達すると思うのですが その先はページを分けたほうが良いでしょうか? また、作者別ではなく、アップローダーに挙げられた順にしてみました。 -- 名無しさん (2011-04-30 15 38 39) リディルさんみたいなストーリー漫画があるのを忘れてた………そこで、質問なのですが 1.あくまでもアップローダーに挙げられた順で 2.多数の作品を投下している絵師さんだけは別ページに 3.ストーリー漫画だけ別ページ このどれが妥当でしょうか? 公平性という観点からは1ですが、ストーリー漫画が分断されるのがネックです……… とりあえず、夜まではtest-06の更新は止めておきます。 -- 名無しさん (2011-04-30 16 15 44) 連投すみません。 test-07を見ましたが、iphoneの場合、中央の枠をスライドは出来ないのでしょうか? その場合、サムネをもう一段階小さくする必要がありそうですね。 -- 名無しさん (2011-04-30 16 27 41) お疲れ様です。 依頼のあったファイルは削除しておきました。 ギャラリーの試験作成もありがとうございます。 私も作成は何度か考えたものの、gif作品をどう扱うか(サイズも1Mを超えるものが多い) 良い考えが浮かばず、今日まで棚上げ状態でした。 保管庫が不安定なのもネックなんですよね。 でも、現在作成頂いたサムネ形式は中々良い感じだと思います。 ちなみにアップロード可能なファイルの容量は「1ファイル」1Mまでで、 合計はそれ以上でも大丈夫です(ファイル置き場01の過去ログもとっくに1M超えてます)。 そのため過去ログ同様、新たなファイル置き場XXにオリジナルを上げるのもありだと思います。 ただ、上限がいくつか明記されておらず、どこまでいけるのかははっきりしていません。 これは後でサポートに問い合わせてみようかと。 ストーリー漫画はそれだけでまとめちゃってもいいような。 その方が絶対読みやすいし、それで不公平だと言う人もいないんじゃないかなぁと思いますし。 -- かんりにん (2011-04-30 16 58 07) iPhoneの表示に関しては、すみません、私も使い始めたばかりで調べながらなんですが、 多分スライドはできない…と思います。 ちなみに通常のブラウザであってもウィンドウ表示、 もしくは低解像度のモニタではきつそうですね。 ユーザが多いであろうIE(9)だとこんな感じになってます。 ウィンドウ表示 http //www44.atwiki.jp/kiririn?cmd=upload act=open pageid=633 file=kiririn_wiki_win7_IE9_00.jpg フルスクリーン表示(UXGA) http //www44.atwiki.jp/kiririn?cmd=upload act=open pageid=633 file=kiririn_wiki_win7_IE9_01.jpg -- かんりにん (2011-04-30 16 58 29) 了解しました。一旦test-06と同様の形式で、低解像度向けのtest-08(一般イラスト),09(ストーリータイプ)を作ってみたいと思います。 とりあえずロダへのリンクを貼って、ファイル置き場の容量次第で、リンクを順次入れ替えて行きたいと思います。 出来れば今夜中にでも作成してみます。 色々とアドバイス等(画像表示のアドバイス含め)ありがとうございます。 -- 名無しさん (2011-04-30 22 19 53) test-08は、iphoneや低解像度PCで不具合はないでしょうか? 持っている方でお暇な方が居ましたら、報告をお願い致します。 -- 名無しさん (2011-04-30 23 46 19) EOF
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1011.html
97 名前:【SS】大介パパ 1/2[sage] 投稿日:2011/08/08(月) 20 33 53.45 ID hfFBCW9i0 [8/9] 本日二本目。 たまには大介さんメインで書きたかったからで、 22に頼まれたからじゃないんだからね/// 俺の娘―高坂桐乃は俺の自慢だ。 昔から俺を「お父さん」と呼んで慕ってくれていた。 この呼び方は俺しかされていない、とても気に入っているものだ。 だが、一度くらいは「パパ」と呼ばれてみたいものだ。 「おかえり、パパ!」 仕事が終わり扉を開けると、桐乃がそう言い俺を迎えてくれた。 「・・・・・・」 訳がわからず、俺は返事をすることができない。 「お・か・え・り・ぱ・ぱ」 桐乃が言い直す。 「・・・ああ、ただいま」 やっとの思い出返事する。 「お帰り。お父さん、驚いた?」 奥から佳乃が現れた。 「ああ。一体どうしたんだ」 「今日は八月八日だから、母とパパで親孝行の日なんですって。 おかげで今日は家事をしなくて楽だったわ」 なるほど。だから俺のことをパパと呼んだのか。 「桐乃が全部やってくれたのか」 「いいえ、京介と二人でやってたわ。 二人とも手元が危なっかしいから心配だったけど」 「そうか」 二人が家事をしているところは見たかったが・・・仕事だったのだから仕方がない。 「パパ、お帰り。 今日は俺と桐乃のおごりで外食だぜ」 京介も奥から出てきた。 「あたしが作るっていったんだけどさ、兄貴が外食がいいって言って聞かないの」 外食か。桐乃の手料理が気になりはするが、腹を壊すわけにはいかん。仕方がないだろう。 「外食か。楽しみだな。 ところで京介」 「なんだ、パパ?」 「殴っていいか?」 「駄目に決まってるだろ!」 「いや、お前にパパと言われると気色が悪くてな」 背筋に怖気が走る。 「ヒデえな、親父は・・・」 うむ。やはり息子からは「親父」と呼ばれるに限る。 98 名前:【SS】大介パパ 2/2[sage] 投稿日:2011/08/08(月) 20 34 25.68 ID hfFBCW9i0 [9/9] 「それでね、パパ。兄貴ったら・・・・・・」 外食に向かいながら家族でお喋りをする。 何気ない事だが、俺にはとても幸せな事に感じた。 しばらく前まで京介と桐乃の関係が険悪だったため、こんな事がなかったからかも知れんな。 それにしても「パパ」か。 次にこの言葉を聞けるのは来年か。 少し名残惜しい。 もう少し頻繁に聞きたいが・・・・・・ もし京介か桐乃に子供ができたら、 「ほら、お母さんのパパですよー」 と呼んでくれるのか。 いや、「おじいちゃんにご挨拶は?」か。 ・・・・・・それはそれで良いかも知れんな。 「おい、京介、桐乃」 「なに?」 「なんだ?」 「早くお前たちの子供が見たいものだ」 「「え?」」 俺の言葉に、京介と桐乃が顔を赤くする。 「親父、俺と桐乃の子供って、さすがにそれは駄目だろ!」 「そ、そうだよ!あたしと京介の子供なんて気が早すぎるって!」 む。そうだったな。 京介はともかく、桐乃は嫁にはやらん。 知らん男に桐乃をくれてやるくらいなら、まだ京介の方が信頼できる。 「ふふふ」 俺の隣で佳乃が笑う。 「ねえ大介さん」 佳乃が京介と桐乃を見つめながら俺の名を呼ぶ。 「なんだ佳乃」 佳乃につられ、少し遠く、顔を赤くしたままなにやら言い合いをする兄妹を見る。 「子育てって楽しいわね」 まったくだ。 「ああ。 だいぶ大きくなったが、中身はまだまだ子供だ。 眼が離せん」 だからもう少しだけ、傍で二人の成長を見つめさせてもらおう。 それが親の特権であり、成長する姿を見せるのが子供の最大の親孝行だ。 -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/911.html
600 名前:591[sage] 投稿日:2011/07/05(火) 23 19 08.54 ID M+oAh0Jt0 [2/2] 「変態シスコン先生 兄貴」 注意点 オタク=妖怪設定 ただし、鬼=強敵という設定 パロであるが実際には原作には無いキャラや設定が多々含まれております。 ・京介先生(高坂京介) 本作の主人公。俺妹小学校1年A組の担任教師で霊能力者。一見平凡な教師に見えるが変態で極度のシスコン。 左手には激闘のすえに封印した親父(鬼)が宿った鬼の手を持ち、妖怪から大切な生徒(きりりん達)を守っている。 黒髪のロングのあやせ先生が好みのタイプであり、セクハラ行為を繰り返してはハイキックで空を舞っている。 妹であり、雪女の桐乃の好意に悩まされている。 最終巻 長年、妹の桐乃のアタックに悩まされていたが、ようやく自身の気持ちと向き合い桐乃と結婚した。 ・桐乃 (高坂桐乃) 京介の妹であり、妹をこよなく愛する雪女。 京介のことが大好きであり、毎日猛アタックを繰り返しているが、 雪女であり、さらに妹であるために京介を悩ませている。 モデル活動や執筆活動を行ったりと多彩な才能を発揮しているが料理だけははすごく下手であり、さらに氷漬けになる。 最終巻 長年のアタックの末、京介と結婚して今では二児の母。 ・きりりんたち 俺妹小学校1年A組の生徒達であり、30人すべて京介の可愛い妹達である。京介のことが大好きであり、兄として慕っている。 弱いながらも電撃を発することができるかもしれない。 ・あやせ先生 (新垣あやせ) 俺妹小学校6年の担任教師。俺妹小学校のマドンナ(天使)的存在であり、桐乃の親友。本作ではエロ役担当という不幸な役回り。 毎日のように京介のセクハラ行為をハイキックなどでいなしている。 潔癖症であり、きりりんたちを邪な目で見る人たちを校庭に埋めている。 ・加奈子 俺妹小学校1年A組の生徒で桐乃ときりりんの親友。京介と桐乃にちょっかいを出しては、あやせ先生に埋められている。 ・男子生徒(俺ら) 俺妹小学校6年の生徒達ですべて妖怪であり、旧校舎(スレ)に住み着き、留年している。 きりりんを邪な目で見ようと行為に走るが、京介とあやせ先生にことごく阻止されており、校庭に埋められている。 ・親父(鬼) 強大な力を持つ極道面の京介の親父。 佳乃先生によって力を抑えこまれたところを京介によって封印され、彼の左手に宿る。 桐乃の偽彼氏事件以来、京介とは和解しており、京介の手を離れて邪な妖怪達を逮捕している。 ・ベルフェゴール・麻奈実 普段はのほほんとした鬼であるが、強大な力を持っている。 ・黒猫 化け猫妖怪。京介の命(ハート)を狙うも敗れ、以後は京介とともに戦う良き友となる。 人間に化け、俺妹小学校の養護教諭をしており保健室で執筆、ゲーム制作に勤しむ。 ・沙織・バジーナ校長 俺妹小学校の校長であり、根っからの妖怪。ネットでは妖怪コミュニティ「妖怪っこ娘集まれ」の管理人でもある。 実は妖怪界でも名の知れた企業のご令嬢であるが、普段それを隠している。 ・赤城先生 俺妹小学校の保健・体育専門教師。シスコンの変態野郎であり、男子生徒専門に教えることを強要されている(主に妹と京介に)。 イケメンであるが残念極まるキャラである。 ・瀬奈 俺妹小学校1年A組の生徒であり、赤城先生の妹。 「腐女子」という名の妖怪で、普段まじめな性格でクラス委員長を務めているが、一度スイッチが入ると妄想が激しく気持ちが悪い。 最近では、京介と赤城先生で妄想しているようだ。 ・フェイト メディアスキー・ワークス高校の元生徒。不正がバレて退学。現在、ニート。 霊能力(自称)でFXで一攫千金を狙うもことごとく溶かしている。 ・ランちん 俺妹小学校の生徒である……はずである。 -------------
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『俺の妹がこんなに可愛いわけがない。第10話 俺の妹がウェディングドレスを着るわけがない キャラクターコメンタリー風特典映像風SS』 「高坂京介です。」 「高坂桐乃です。」 「「俺の妹がこんなに可愛いわけがない。第10話、俺の妹がウェディングドレスを着るわけがない、ご視聴ありがとうございます。」」 「って、なにコレ?」 「いやあ、このスレを見てたら分かると思うけど、前作のキャラコメが結構評判よくってさ。」 「あー、そういえば少し前に、スレで話題に出てたよねー。」 「この書き手も、そういうのを見ながら、いつの日か、原作者が今作のキャラコメみたいなのを書いてくんねーかなー、って思ってたらしいんだけど、、、原作者、超忙しそうだろ?」 「うん。」 「だから、いつものノリで、俺はこういうのが見たかったんだっ!、、、ってな妄想を、そのまま書いてみようと思った、ってコトらしい。」 「軽っ!、、、相変わらず、いーかげんなノリだよね、こいつ。」 「だよな。まぁ、そんな感じでたった今書き始めたばっかりの段階なもんだから、これがちゃんと書き終わるのかどうかも現時点では全く分かっていないんだが、、、もしそれで読んでもらえそうなモンができたら、投下してみようかな、だと。」 「ふーん。じゃあ、今からあんたと二人で第10話を見ながらコメントしていく、ってワケ?」 「そういうことだ。まあ、あたりまえだけど、これは原作者が書いたものじゃないわけだから、あくまで一人のファンの勝手な妄想として楽しんでもらえれば幸いだ。」 「そっか。りょーかい。んじゃー早速、始めよっか。」 「ああ。」 ぴっ。 『あやせ!結婚してくれーーーっ!!!』 「・・・」 「・・・」 『誤解すんなよ、俺がセクハラするのはお前だけだぜ!(キラーン)』 「・・・」 「・・・」 『今月号買ったよ~、ほらほら~、ラブリーマイエンジェル、あやせた~ん♪』 「・・・」 「・・・」 ぴっ。 「・・・・・・・」 「・・・・・・・」 「なんか言い残すことある?」 「えーっと、、、何も蹴ることなくね?あやせのやつ。」 「あんたのセクハラが原因でしょーがっ!」 ぽかっ! 「あ痛っ!」 「ったくもう、、、スケベなんだから。」 「、、、ててて。つーか、よりにもよって、こんなシーンからのスタートかよ。しかも、アニメ化されていないシーンまで、わざわざ新しく追加しやがって。ひどい脚本家様だぜ、ったく。」 「脚本家さんにあたるんじゃない!どー考えても、あんたの自業自得でしょ!」 「でも、このシーンの俺って、第10話時点の俺じゃなくて、もっと以前の俺なんだけどな。」 「いいわけすんな!つか、今のあんたとどう違うっての!?」 「ふっ、今の俺は誰よりも一途なんだぜ?知ってるだろ?」 「ネタバレすんなっ!そりゃ知ってるケドっ!」 「今の発言もネタバレだぞ?」 「あ、あんたが言わせたんじゃん!」 「つーことで次のシーンに行くか。」 「勝手に進めんなっ!」 ぴっ。 「ほら、お前が好きそうなオープニングだぜ、桐乃?」 「んなもんで誤魔化せると思って、、、、、ふひっ♪ブリジットちゃん可愛えぇ♪」 「(ふぅ、なんとか誤魔化せた、、、か?本編のほうはもうちょっとマシなシーンだといいんだが、、、。)」 ------------------------- 『恋人ができたそうですね。おめでとうございます。お兄さん。』 「、、、なんであんたがあやせんちにいんの?」 「め、目が怖いんですけど?桐乃さん?」 「ちっ。セツメイ。はやく。」 「(、、、くそっ!なんでこんなシーンばっかなんだよ!アニメ本編だけじゃなくて、こっちまで修羅場になっちまってんじゃねーか!ちくしょう!)」 「いや、、、このときは電話であやせに呼び出されたんだよ、俺が。」 「なんで?」 「え?いや、理由は特に聞いてなかったけど?」 「で?あんたはノコノコ出かけて行ったと?」 「、、、はい。」 「ったく。サイテー。」 「(マジで勘弁してくれ!どんな拷問だよ!いったい!?)」 「で、でもさ。このときあやせが何を言いたかったのか、全然わからなかったんだよな、結局。」 「は?マジで言ってんの?」 「え?」 「はぁ。あやせも苦労してたんだ。」 「ど、どういう意味だ?」 「なんでもない。てか、今のは忘れて。このときのあたしの感想じゃないから。」 「どういうことだ?今のシーンで、俺があやせを困らせるようなトコ、あったっけ?」 「そーゆートコが、皆を困らせてるんだっつーの。ったくもう、相変わらずなんだから。バカ。鈍感。ラノベ主人公。」 「ちょっと待て!なんだ!?最後のは!?もしかして悪口か!?」 「もしかしなくっても悪口だってーの。」 「ぐっ、、、。」 「(そのくせ、ここぞ!って時には、いっつも先回りしてくれちゃってんだよねー、こいつ。)」 「ん?なんか言ったか?」 「べっつにー?ってか、手錠をかけてライターで火炙りって、さすがにちょっと酷くない?だいたい、なんでそんなもの持ってんの?あやせ?」 「俺妹。フェスで買ったんじゃね?」 「いきなり時空を超えてんじゃないっ!」 「でも実際に、あやせの中の人も手錠を貰ったらしいし?おまけにそれを、おまえの中の人にかけてみたらしいぜ?」 「え!?マジで!?」 「ああ。気になる人は、俺妹ラジオ。を聞いてみてくれよな。それを聞けば、あやせが普段、部屋のどこに手錠を隠してるのかも分かるらしいぞ。」 「マジ?んじゃ、あたしもあとで聞いてみよっと。でもなんか、うまく宣伝に繋げてるよね、あんた。」 「まあ、それが目的のキャラコメ風SSでもあるしな。知らない人には知ってほしいし、知ってる人には、あーそんなこともあったなーって思い出してちょっとニヤッとしてもらいたいし。」 「だよねーw、、、って本編のあんた、階段から落ちてんじゃん!」 「いやー、このときは死ぬかとおもったぜ。」 「、、、あんときあんたが怪我してたのって、これが原因だったワケ?」 「ああ。そういや、そのあとおまえが怪我の手当てしてくれたんだったよな?」 「そ。あんたがいきなり事故にでもあったみたいに傷だらけで帰ってきたから、びっくりしたんだかんね?」 「そ、そか。すまん。でも、おまえに手当てしてもらってたら、なんかすごく懐かしい感じがしたんだよな。」 「昔のあんたって、しょっちゅう怪我してたもんね。あたしもなんか懐かしくって、ちょっとだけ、うれ、、、」 「うれ?」 「な、なんでもない!」 「???」 「そ、それより!加奈子とあんたとあやせって、どういう繋がりだったワケ?聞いてないんですケド!」 「あー、これか。えっと、、、前作で加奈子がメルルのオーディション受けたことがあっただろ?覚えてるか?」 「あー、うん。あったね。そういえば。」 「あれさ、おまえのプレゼントの件であやせに相談を受けた俺が、そのオーディションを紹介したんだよ。」 「そういえばあやせが言ってた。プレゼントをあんたらが選んでくれたんだって。」 「そうそう。それで、あやせが加奈子をだま、、、説得して出場してもらってさ。そんときに、俺が偽マネジャーを演じてやったってわけ。」 「それでそのときに偽マネージャーやってたあんたを加奈子が気に入って、あやせに連絡してきた、と。」 「そういうことだ。」 「ふーん。それで、か。」 「?なにがだ?」 「いや、、、あんたが一人暮らしを始めたときの引っ越し祝いで、加奈子がミョーにあんたのこと気に入ってたワケが分かったかな、って。」 「あ、ああ、そうだな。」 「(それも思いっきりネタバレになるんだが、、、ま、いっか。)」 「まあ、そんなこんなで、何故だか分からんが電話口で急にキレたあやせに脅迫されて、俺はまた加奈子のライブに偽マネージャーとして行くことになった、ってわけ。」 「それでメルフェスのチケットが手に入ったから、あたしを誘ってくれたんだ、あんた。」 「逆だな。メルフェスのチケットが取れなかったって、相当へこんでただろ、おまえ。だからこの話が来たときに、加奈子にチケットを取ってもらうように頼んだんだよ。おまえが喜ぶと思ってさ。」 「ふ、ふーん、そうだったんだ。ま、まぁ、ちょっとだけ嬉しかった、、、カモ、、、って!メルフェスに行けたのが!だかんね!」 「はいはい、そーゆーことにしといてやるよw」 「わ、分かったような口きくなっ!」 「へいへい。」 ------------------------- 「んでBパートなワケなんだケド、、、あんた、加奈子たちの控室まで行ったの!?」 「まあ一応、偽物とはいえマネージャーのフリしなくちゃなんなかったからな。」 「なんであたしを誘ってくんないワケ!?」 「いや、、、おまえ、加奈子にバレちゃまずいんだろ?それに、その日は昼過ぎまで仕事だって言ってたじゃんか。」 「うぐっ、、、そりゃまあ、そうなんだケド、、、。」 「それにこの時点ではまだ、俺がおまえの兄貴だって加奈子にバレてはいなかったんだしよ。それなのに俺がおまえを誘って加奈子の応援に行ったらおかしいだろ?」 「でもあんた、名前教えちゃってんじゃん。」 「名前だけだぞ?」 「加奈子を甘く見ないほうがいいよ?あの子、興味がないことには全然無関心だけど、気に入ったことはしっかり覚えてるんだから。」 「そ、そうなのか?」 「そ。だから加奈子にバレちゃったんじゃん。」 「(だからネタバレだっつーの、ソレ。)」 『ピピピピ』 「っと、ここで、あたしが送ったメールが届いたんだ。」 「ああ。」 「あんときは、もう行けそうにないってホントに諦めてメールを送ったんだケドね。」 「逆に俺はそのメールを見て、絶対間に合わせてやる!って思って駆け出してたんだよな。」 「時間的にもう無理だな、とか思わなかったの?」 「いや、全然。つか、間に合わせることしか考えてなかったしな。」 「、、、シスコン。」 「うっせ。でも駆け出したのはいいけど、ノープランだったからな。外に出た直後に、さてどうすっか、ってなっちまってよ。」 「あんたらしいよねw」 「だから、うっせっての。でもそんなときに丁度、チャリを押して歩いてた御鏡と偶然出会ってさ。ラッキー、って思って、即、頼み込んでチャリを借りたってわけだ。」 「よくあの痛チャリを借りる気になったよね、あんた。」 「さっきも言ったとおり、間に合わせることしか考えてなかったからな。これで迎えに行けるぜ、ってことしか頭になくってよ。で、乗って駆け出した後で周りがジロジロとコッチを見てるの見て、ようやく気が付いたんだよ。自分がとんでもねぇ痛チャリに乗ってるってな。」 「そこで!?遅くない!?」 「だよなー、やっぱり。でももう、何が何でも絶対間に合わせてみせるって決めてたから、やめようとはこれっぽっちも考えなかったけどな。」 「、、、、、。」 「で、なんで俺はクソ生意気な妹のためにこんなことしてんだろうな、って考えながら必死で漕いでたよ。まぁ、今の俺から見れば、ばーか、って言ってやりたいとこだけどな。」 「なんで?」 「え?」 「なんで、ばーか、って言ってやりたいワケ?」 「そ、そんなのどうだっていいだろ?」 「『ばーか、そんなのとっくの昔に気付いてんだろ?素直になれよ。』って?」 「俺の心の声を言葉にするんじゃない!」 「ふひひーw」 「、、、てか、ネタバレとか考えてないだろ、おまえ。」 「あ。」 「ったく、、、やれやれ。で、やっと教会に到着したって訳だ。」 「到着して早々、即、取り押さえられかけてたよね、あんたw」 「笑い事じゃないだろ!」 「もし、あんときあたしが名乗り出なかったらあんた、痛チャリで疾走して捕まった、ただの変態になってたんだもんね~w」 「だ~か~ら~っ!」 「分かってるって。だからあたしも、ちょー恥ずかしいのガマンして名乗り出てあげたんじゃん。感謝しなさいよねw」 「むしろ俺のほうが感謝してほしいところなんだが、、、まあいい。てか今、痛チャリ見てめっちゃ喜んでたよね、おまえ。」 「し、仕方ないじゃん!ちょーかわいかったんだから!文句ある?」 「今さら文句なんてねえよ。むしろ、おまえらしくていいんじゃね?」 「ふふーん、だよね~w思わずディスクホイールぺろぺろしたくなるくらい可愛いもんね~♪」 「、、、すまん、さすがに今のはちょっと引いたわ。」 「えー?ぺろぺろしたくなんない?」 「ならねぇよ!って、もし仮にここで俺が、だよねー、とか返したら、おまえはどう思う?」 「キモっ!」 「だよな!お約束どおりの反応をありがとよ!」 「でも、これがどんだけ可愛くても、さすがにこれに人前で乗るとか、、、正直、、、無いよね?」 「おまえ、乗ってたじゃん?」 「しょ、しょうがないじゃん!だって、あんたも美咲さんも目がマジになっちゃってたし、、、おまけにドレスまで破いちゃったし、美咲さん。」 「あれって高かったんじゃねーの?」 「高いも何も!特注デザインの1点ものなんだってば!それを目の前で破かれちゃったらもう、あたしも覚悟決めるしかないじゃん!」 「その割に平気そうな顔でやってたよな。しかも笑ってなかったか?あの人?」 「そういう人なんだよね、美咲さんって。でも転んでもただじゃ起きない人だから、他に何か目的があったのかも知んないケド。」 「ふーん。」 ちなみに余談ではあるが、この目的が明らかになるのは、また別のSSのお話である。 「で、街中を二人乗りで走り始めたわけなんだけど。」 「ああ。」 『胸が当たっちゃうじゃん!このエロ!シスコン!』 『落ちるよりマシだろ?』 『ちょ、きゃ、、、!』 「、、、あんた、コレ、狙ってやったっしょ?」 「んなわけねぇだろ!」 「どーだか?妹のことをつんつんするような兄だしねー。」 「時系列的におかしいだろ!そのコメント!てか思いっきしネタバレだから!それ!」 「(もう隠す気ゼロだよ、こいつ。)」 「しっかし、なんだな。」 「?なにが?」 「このときは、チャリを漕いでたから見えなかったんだけどよ。」 「?」 「ぎゃあぎゃあ喧嘩しながら走ってたと思ってたんだが、、、おまえ、嬉しそうだよな?」 「なっ、、、あ、あんただって、文句ばっか言ってたわりに、顔がニヤけてんじゃん!」 「まあ、、、確かにな。」 『あーあ。初めての二人乗りがこんなのだなんて、そんな兄妹絶対あたしたちだけだって。』 『おう、、、ほんとう、嫌になっちまうよな。涙が出てくる。』 「、、、なんか、このときさ。」 「、、、うん。」 「こういうのが、俺たちらしいのかも、って思ったんだよな。」 「、、、だよね。あたしも同じこと、思ってた。」 「そっか。」 「でも結局、加奈子のステージには間に合わなかったけどな。」 「だけど、クラリスのステージには間に合ったじゃん。あたしが一番見たかった、ね。」 「そか。でも映像のおまえ、文句言ってばっかじゃん。」 「あんただって、同じようなもんでしょ?」 「だな。ったく、素直じゃねえなあ、この二人。」 「ホント、そっくりだよね。変に意地っ張りなトコとか。」 「全くだ。」 「「、、、ぷっw」」 『行くぞっ!』 『う、うんっ。』 「そう言えば、このあと、なんか言ってたよな、おまえ。」 「え?、、、あ!ちょっ!ダメ!止めっ、、、!」 『あのさ、、、ありがと。』 「っ!!!」 「~~~~~~~~~っ!」 『ふんっ、何でもないってーの。』 「、、、、、ぷっ!」 「な、なによ?」 「いや、、、俺たちのこの物語のタイトルには、やっぱこれしかねえよな、って思ってさ。ほら、エンディングが始まるぞ?」 『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』 君と また 物語が 始まるの ♪ Fin ----
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229 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/05/17(火) 16 36 29.36 ID Zdxoct8l0 [4/11] 「きょうちゃん、ちょっと大事なお話、いいかな?」 10月も半ばに入った頃、俺は幼馴染と一緒に下校していた。 『大事なお話』……… はっきりと言われなくても、それが何を意味しているのかは、いくら鈍感な俺でもわかる。 それくらい、この夏休みに起こった出来事は、俺にとって衝撃的だった。 あれ以来、一月以上、俺と麻奈実の間でその事が話題に上ることは無く、 これまでどおり、普通の幼馴染として勉強などをしてきていた。 「ああ。それじゃ、いつもの中央公園でいいか?」 「うん」 麻奈実はいつもと違い、張り詰めた面持ちで、 中央公園にたどり着くまで一言も喋る事が無かった。 公園のベンチに座り、二人で空を眺める。 今までは、落ち着いた、心地よい時間だった。 だけど、俺の回りの世界は一変してしまった。 俺に告白してきて、ほんの少しの間だったけど付き合う事になった、黒猫。 俺の事を嫌っているふりをしながら、本当は好きだった、あやせ。 俺の事をいつの間にか好きになっていた、麻奈実。 そして、俺の事が大嫌いな、俺の妹………桐乃。 二人で、それぞれの思いに耽るなか、先に話し出したのは麻奈実だった。 「ちょっとは見えてきたかな?」 「………………………」 「『目先の答え』じゃない、きょうちゃんの『答え』」 あれ以来、俺は何度も何度も考え抜いた。 もちろん、今しなければならない事―――受験勉強――― の妨げにはならないように、時間を区切ってではあるが。 いや、誰かに言われたからじゃない、ちゃんと出来ないとアイツに笑われちまうからな。 それはともかく、考えても考えても、答えがでないんだ……… 「みんなが幸せになれる未来。どうかな?」 ―――『みんなが幸せになれる未来』――― 言葉にするのは簡単だ。だけどよ、具体的にどうするのか? 黒猫と復縁するにしても、あやせと付き合うような事になるにせよ……… あるいは、目の前の幼馴染と付き合うような事になるにしても、 俺が、桐乃から離れようとする限り、桐乃はとても辛い思いをする。 それに、だ。俺が誰かと付き合う事になったら、他の女の子はどう思う? いや、俺の事が嫌いになるとかそういう事を言ってるんじゃない。 みんな、桐乃の事がとっても大事なんだ、それは、この前の件でよく分かっている。 だから、桐乃を悲しませるって事は、桐乃が大好きな人たちをもまた、傷つける事になってしまう……… それじゃあ、今のまま、宙ぶらりんな関係を続ける?いや――― 「『目先の答え』じゃダメだもんなあ」 「うん、そうだよ」 そんな関係じゃ、桐乃も俺も変わっていけない。 確かに、みんなを直接傷つけることはないかもしれないが、 ある意味ではもっとも桐乃を傷つける事になる。 それに………そんなの、俺自身がちっとも幸せじゃない……… 「ねえ、きょうちゃん?」 「なんだよ」 「きょうちゃんは、難しく考えすぎてるのかもしれないよ?」 「そうかあ?」 「うん。きっとそう」 まあ、このお婆ちゃんには、何もかもお見通しなのかもしれないな。 俺の本当の心の奥底では、桐乃に対する気持ちが燻っていることも。 「前にも言ったよね? きょうちゃんと付き合う女の子にとって、どうしても上手くいかない部分」 「ああ」 「きょうちゃんはね、すっごく頼りになって、かっこよくって、やさしくって」 「おいおい、褒めすぎだろ?」 「そして、けっこうだらしなくって、エッチで、浮気性で」 「き、急に酷い評価だな?」 「でも、そんなきょうちゃんは、桐乃ちゃんのことだけは、絶対に捨てられない」 「………………………」 やっぱり、見抜かれているんだな。 いや、見抜かれて当然かもしれない。 両想いだったハズの彼女より、桐乃を優先した時点で……… 「きょうちゃん、桐乃ちゃんのこと、大好きなんでしょ?」 ついに、はっきりと聞かれちまったか……… 聞いた麻奈実も、諦念にも見える表情を見せている。 『ついに、はっきり聞いちゃった』って顔を……… 「俺は、みんなの事が大好きだ。 黒猫も、沙織も、あやせも、加奈子も………おまえの事も大好きだ。」 「うん、ありがとう」 麻奈実は今まで見た事の無い、悲しさと嬉しさの入り混じったような表情で、俺を見つめている。 「でも、桐乃の事は、もっと大切なんだ、愛してるんだ」 「よく、言えました」 まるで、俺の先生か母親のように答える麻奈実に、俺は胸が締め付けられた。 おまえだって、俺の事が好きだって言ってくれたのに……… 俺は麻奈実を見ていられず、目を逸らした。 「ごめん、麻奈実、俺っ………」 「ううん。きょうちゃんの考えてることはわかるよ。 わたしを傷つけたんじゃないかって、凄く不安そうだもん。」 今の俺、そんな表情をしてるのか……… 「でもね、きょうちゃん。わたし、悔しいけど、傷ついてはいないんだよ」 「えっ?」 「桐乃ちゃんに負けて悔しいけど、わたしの大好きだった人は、 こんなに、凄い人をみつけて、大事な人を、愛せる人なんだなって。 だ、だからっ…わたし、そんな人を…好きに、なれて…うっ…しあわせっ…っ!」 「麻奈実………」 麻奈実は、目から大粒の涙を次々に溢し、それでもなお気丈にしっかりと俺を見据えていた。 「ご、ごめんねっ…きょうちゃん…わたし、傷ついてない、事、教えたくて… 泣かないようにって、思った、のにっ…悔しくて、涙が、とまらないの…」 「ああ、分かった。分かったから………」 「だからねっ、あやせちゃんも、黒猫さんも………桐乃ちゃんも、みんな同じ。 きょうちゃんが本気で考えて、本気で答えを出せば、みんな悔しいかもしれないけど、 みんなきっと納得してくれる。傷ついたりはしないよ。」 「そう、だな」 麻奈実は涙を振り払い、真剣な眼差しを向けてくる。 「でも、きょうちゃんは、桐乃ちゃんに向き合うことができないんだよね?」 「………『妹』だからな………あいつは………」 「それじゃあ最後に、わたしからの………人生相談、聞いてくれるかな?」 中央公園で麻奈実と分かれた後、俺は真っ直ぐに帰宅した。 それにしたってよ? 『桐乃ちゃんが妹じゃないと考えてこの土日過ごしてみて』だって? 人生相談っつーか命令じゃねーかよ? あの麻奈実、実は中身があやせか黒猫だったりしねーよな? しかも『デートもちゃんと計画をたてて、わたしに連絡してね』だと? ちゃんと言われたとおりにしてるか確認するつもりかよ……… 確かに、俺の中では『桐乃』に対する気持ちと、『妹』に対する気持ちが入り乱れて、 自分でも、どういう気持ちを持っているのか分からなくなることが多い。 そういった意味では、あいつ自身を見る、良い機会なのかもしれない。 それにしたってよ?どうやってデートに誘えってんだよ……… あと、『上手くいったらご褒美だよ』って何のことだよ……… それから数日たって、金曜日の夜。 俺は未だに、桐乃をデートに誘えないでいる。 だって、しょうがねーだろっ!? そもそも、桐乃の部屋に入る理由もねーしっ、『妹』をデートにさそうって! ………あ、そうか、その辺の認識から改めてみろって事か、今回のミッションは。 ふと、部屋を見渡すと、sisxsisのパッケージが目に入った。 そうだ、こいつを使えば……………………… コンコン――― 桐乃の部屋のドアをノックすると、意外にも静かに扉が開いた。 「京介、何の用?こんな時間に」 桐乃は普段着姿で、いつも通り、しっかりと化粧もきめている。 こんな夜中にも化粧をしてなきゃならないって、女の子も大変なものだ。 それに、良く見ると、桐乃の机の上には、何冊ものノートが開かれている。 「勉強中だったか?」 「別に………」 あれ以来、桐乃との距離はかなり縮まったハズなんだが……… つーかよ?普通の純愛エロゲでも、これまでにこなしたイベントの数考えりゃ、 もう10回以上エロシーン突入してねーとおかしいよな? 抜きゲーなら100回くらいエロシーンがあっていいはずだぜ? 「で、何の用よ」 「これだ」 俺は、桐乃の目の前に、sisxsisのパッケージを突きつける。 「sisxsisについて、おまえと語り合いたいんだ!」 「しっ………」 「し?」 「死ねっ!変態っ!」 「待てっ、待ってくれっ、ちょっと攻略につまっててなっ!」 「………………………入って」 とりあえず、妹様の爆発だけは回避できたようだ。 つか、おまえ、自分からエロゲ押し付けておいてそりゃねーだろ? 桐乃の部屋は相変わらずそこかしこから甘ったるい良い匂いがする。 以前はさほど気にしてなかったけどよ、これ、香水の匂いだけじゃなくて、 桐乃の匂いが混じってるんだよな……… 「で、どこで詰まってんの?sisxsisは、わりと簡単じゃん?」 「えーと………」 やっべぇ、桐乃の部屋に入ることしか考えてなかったぜ? 実は全部攻略済みだがなっ!………攻略サイト見てな……… 「あー、あれだ、最後のルート分岐?何回やっても、りんこバッドエンドばっかりでな?」 「へぇ、京介、りんこルートやってんだ」 「べ、べつに良いだろ?」 「りんこグッドはさぁ、みやびちゃんも好感度上げてないと見られないのよね~」 「は、はぁ、さいですか」 おまえ、急に元気ですぎじゃねーか? 「それでねっ!結構始めの方から、好感度とフラグ管理をちゃんとやってないといけないのっ!」 「好感度管理………だと?」 「ほらっ、例えばこれっ!」 そういうと、桐乃は机の上に置いてあったノートを俺に見せ付けてくる。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 1/3 11 00-22 00リビング唯ちゃん ※スルーしても影響なし?でも見る! 17 00-20 00自室TEL ※すぐにステーションホテルに向かう事! ※あたしは唯ちゃんを信じるのっ! 20 00-23 00自宅の前唯ちゃん ※ココ大事!…つか、ドコの兄貴も馬鹿ばっか 23 00-24 00八十八公園唯ちゃん&西御寺 ×絶対にこの時間より前には行かないっ!!! ○気分値唯ちゃん+2 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― なんだ、これは? 「これ、今攻略中のゲームの攻略ノート。」 「10冊以上あるぞ………?」 「当然でしょ?攻略可能キャラ全員分だし。 京介もこれくらいちゃんと記録つけて攻略しなさいよね」 「り、了解した………」 な、なんつーヤツだ………これほどとは思わなかったぜ? つか、これ以上攻略に関する話題はやべーな。 本当に攻略ノート作るハメになったら死ぬしよ? 「と、ところでよ?」 「何?」 「このゲームのりんこはよ?なんで、本当の想いに気がつかなくなってしまったんだ?」 「えっ………………?」 あ、あれ? 好きなゲームのことだし、もっと食いついてくるかと思ったのによ? 「あたしにも、良く分かんない………」 「そ、そうかよ」 「でも、たぶん、妹だから………じゃないかな? そうなっちゃう事だけは、良く分かるから………」 ああ………そうか、『妹』だから……… 俺も、『兄』だから……… 「桐乃。それじゃ、明日、半日だけ、兄妹の関係無しでデートしようぜ?」 「えっ………あ、あんた!?」 「それじゃあ明日な。おやすみ、桐乃」 「えっ、あっ、お、おやすみなさい。………京介」 そして次の日の朝、俺は『彼女』と一緒に、ディズニーランドに来ていた。 「京介、あんたちょっと眠そうじゃない?大丈夫?」 「そんなことないぜ?」 実は、眠かったりするんだが、その理由がなぁ……… 「電車でもうとうとしてたし………あの、さ。あたしと一緒だと、退屈、かな?」 「違うっ!」 そんなわけねーだろ? そんな悲しそうな顔すんなよ。 「おまえとのデートが楽しみすぎて、昨日、全然眠れなかったんだよ」 「そっか、京介も………」 「お、おまえも?」 「ばっ、ばかっ………」 桐乃の顔は一瞬で真っ赤になり、つんとそっぽをむいてしまう。 こいつ………可愛すぎだろ!? 「桐乃、どこから周る?」 「えと………は、恥ずかしいケド………お城に行ってみたいな」 「シンデレラ城か?今日のおまえ、可愛すぎるぜ」 「!!!~~~~」 あ、つい口に出しちまったな。 桐乃は声にならない唸り声をあげて、必死に照れ隠しをしている。 だけどよ?その様子自体が可愛すぎるんだよな~ こんな可愛い彼女には、ちょっと位イタズラしたってバチはあたらねーよな? 「さあ、ついたぜ?」 「う、うん」 「桐乃、俺と踊ってくれないか?」 「京介、何言って?………あっ!………は、はずかしいでしょっ!」 「返事は?」 「は、はい」 桐乃、まだ赤くなれたんだな? 俺もこんな恥ずかしいセリフで真っ赤なんだし、あいこだよな。 それにしても、こんなにしおらしい一面もあったなんて驚きだぜ。 シンデレラ城を見てまわる間中、桐乃の表情は緩みきっていて、 時折ブツブツと口の中で何事か呟いていた。 こいつ、展示物とかちゃんと見えてんのかよ? せっかく来たんだし、もうちょっとな? そして、シンデレラ城を一通り見終わるような頃、 ようやく桐乃は正常な気分に戻ったようだった。 「き、京介、あ、あんたっ」 「な、何だよ?」 「さっきのあんた、ちょうキモかったからっ!つい、はいって言っただけだから!」 「分かってる。分かってるって」 内心の笑いを堪えつつ、俺は桐乃の頭を撫でてやる。 「ちょっ、キモっ!子供じゃないんだしっ!」 「おまえが可愛いから、髪を触りたくなったんだ。ダメか?」 「っ!!!」 あー、こりゃまた、当分ダメかもな。 その後、落ち着いた桐乃と一緒に、スプラッシュマウンテンやジャングルクルーズ、 ホーンテッドマンションなんかを見てまわった。 えっ?さっきみたいな甘々イベントはなかったのかって? いや、さっきの一件の後、『あたしが死んだら、全部あんたのせいだからね!』 と脅されちまったんだよ。 だから、俺からイタズラすることは出来なかったんだよ。 もっとも、ホーンテッドマンションでは、散々桐乃に抱きつかれて、 俺のほうがどうにかなりそうだった事は報告しておこう。 そして、今、夕焼け空の下、桐乃と二人、ベンチに座って休憩している。 目の前で、ドナルド・ダックが他のカップル達と写真を撮っている。 「楽しかったね」 「そうだな。今までで一番楽しかった。」 本当に楽しかった。 他の誰といる時よりも。 「でも、そろそろ兄妹に戻る時間だな」 「そっか、そだよね」 見つめあう。 夜のパレードまで、まだ時間がある。 「桐乃」 「何、京介」 「順番が逆になってしまったけど、おまえに言いたい事がある」 「………うん」 桐乃は微笑ましくなるくらいビクッと反応した。 俺の言葉を待っている。ずっと前から待ってくれていた、それよりもさらに強く。 迷う事はない、決めた。 俺は大きく息を吸い込んで、その言葉を伝える。 「桐乃。俺と付き合ってくれ。 俺はおまえの兄貴だし、おまえは俺の事大っ嫌れーかもしれないけど 俺はおまえの事が大好きだ。俺をおまえの彼氏にしてくれ。」 やっと、俺は、一番大切な人に告白をする事ができた。 ヘタレだなんて言うなよ。 こんなに心が通じ合っていても、俺たちは兄妹なんだ。 こんなにも好き合っていても、拒絶される可能性のほうが高いんだよ……… 「京介。あたしさ、兄貴の事、大っ嫌いだった………」 そう、だよな。 俺も、おまえの事、大嫌いだった。 「でも、これからは、兄貴の事、好きでいいんだよね? 兄貴の一番でいて良いんだよね………」 見つめる桐乃の瞳は嬉しさに潤み、夕暮れに点き始めた明かりに、キラキラと輝いていた。 「桐乃………」 「京介………」 俺たちは、まわりの目も気にせず、自然にキスを交わしていた。 はじめは恐る恐る、探るように。 次第に、お互いを貪り合う用に激しく……… 長いキスが終わった後、俺たちは長い事………いや、もしかすると短い時間、 お互いに話し出す事が出来なかった。 何か、凄い事をしてしまった感じで恥ずかしい。 「桐乃、あ、あのさっ」 「な、何、京介………」 でも、桐乃と話をしたくて、とりとめのない言葉が頭の中をかけめぐる。 「その、今日、家に帰らない事は」 「うん。あやせと加奈子に頼んで、あやせの家にみんなで遊びに行ってる事にしてる」 「そうか。良かった」 夜のパレードを見ようとすると、どうしても門限をオーバーしてしまうからな。 いっそのこと………と、外泊する事に決めたわけだ。 「京介は?」 「いつも通り、赤城に頼んだ」 「そっか」 「あいつ、またホモゲー買いに行ったりしてないかな」 「うん………」 話題が続かない……… やっぱり、気になるよな。 「親父達、心配してないかな?」 「うん………二人とも居ないのって珍しいから………」 「そうだよな………」 「でも、お母さんは、もしかして分かってるのかも」 「な、何っ!?」 あのお袋が? 「あたしと京介が、今日帰らないって話したとき、楽しそうにしてたから」 「まさか、いくらなんでも考えすぎだろ?」 「そう、だよね………」 確かに、お袋は俺たちの関係を怪しんでいる節が色々な所で見られる。 だけど、まさか兄妹がコトに及ぶのを喜ぶとは思えない。 「わかってるだろ?おまえも」 「うん。京介と一生愛し合っていくけど、結婚とか、それを大っぴらにするのは無理」 「そうだな」 これが、俺たちの出した『答え』だった。 結局の所、一番愛している人以外と付き合った所で、自分も相手も幸せにはなれない。 『妹』を愛してなんかいないと自分にウソをついたところで、結局幸せではない。 逆に、俺が振ってしまった女の子は……… 麻奈実の言うとおり、それで幸せが否定されたわけでは無いのだろう。 お互いの本音をぶつけ合って、それでも負けてしまうのは……… 『悔しいけど幸せ』多分、そう言うことなのだろう。 親父達はどう思うか……… 例えばこれが、性的な欲求にただ押し流されたものであれば、 激怒じゃすまない事は目に見えている。それは明らかに不幸だ。 だが、兄妹が、他の人間に対するよりお互いを強く想い、 その結果、兄妹で一緒に居る事を選択するのだとしたら? 勿論、そのことを分かってもらう為には相応の努力と説得が必要だろうと思う。 だけど、全てを公平な目で見ようとする親父の事だ、 きっと最後には納得してくれるだろうと、俺は確信している。 「先はとても長そうだね」 「そうだな………」 パレードまで、まだまだ時間がある。 「京介、あたし、ちょっと眠いかも」 「そりゃそうだろ?昨日から寝てないんだから」 「ちょっと、寝ていい?」 「ああ、パレードまでには、起こしてやるよ」 「それじゃ、ちょっとだけ、おやすみ、ね」 「おやすみ、桐乃」 桐乃は俺に寄りかかりながら、そのまま眠りに落ちてしまう。 寝てるときのこいつ、本当に天使だよなぁ……… つか、俺も眠すぎ。 桐乃とはしゃいでいた分、落ち着いたときの眠気がキツすぎるぜ……… ………携帯のアラームセットして………俺もねるかぁ……… ピピピッ………ピピピッ……… はっ!?携帯のアラーム音が聞こえ、俺は目をさました。 時間は………まだ、パレードまで5分くらい有るな。 「ん………あ、おはよ、京介。」 「おはよう、桐乃。まだもうちょっとパレードまで余裕があるぜ?」 「うん………ちゃんと目を覚ます。」 それにしたって、二人で寝て、二人で起きるってのもこっぱずかしいな! つか、お互い寄りかかりながら寝るって、自分で見たら卒倒もんだったよな? 「あれ?京介?」 「ん?何だよ?」 「この紙、何?」 桐乃は、俺たちの間にいつの間にか挟まっていた2枚の紙を指す。 固そうな紙だが………写真??? 「なんだろうね、見てみよっか?」 「ああ、見ても別に問題はねーだろ?」 「っ!!!!!!!!コレっ!?」 何ぞ図らん、写真には、俺たちのキスシーンと居眠りシーンがっ!!! だっ、誰だっ!?こんな恥ずかしいもん残していきやがったのはっ!!! ………!あ、あのドナルド・ダックのヤローか! あいつめ、次にあったら容赦しねーぞ……… 「やっぱ、パレードって生でみるとすっごく綺麗だよね! あ~マジ感激っ!キラキラ光って幻想的っていうか~」 「たしかにそうだな」 「あんた、本当にちゃんと見てたの?ミッキーもミニーちゃんもとっても可愛らしい服で、 抱きしめたいくらいだったじゃん!」 「ん、まあな」 「なんか反応薄いんですケドー。もっとしっかりしなさいよね」 ナイトパレードは、盛況のうちに幕を閉じた。 豪奢に飾り立てた車列が通る度に、桐乃は大きな歓声をあげて楽しんでいた。 だけど俺にとっては、パレードの光に照らし出された桐乃のほうがずっと綺麗で、 パレードが終わるまで、ずっと桐乃の事ばかり見続けていた。 パレードが終わった後、俺たちは当初の予定通り、隣接するホテルで一泊した。 念のため言っておくが、おまえらが考えるような事は『何も無かった』からな!いや、本当に。 シャワーを浴びる桐乃にドキドキしたり、ベッドの中に入り込んでくる桐乃にドキドキしたくらいで、 俺は一切、何も、やましい事はしなかったからな! そうそう、件の写真だが、あまりにも恥ずかしいので、桐乃に『捨ててもらった』からな。 これで、俺があの写真を処分した事は確実なわけで、これに関しても何もやましいところは無いぜ? ―――翌日、俺たちは朝早く、電車で家に戻った。 勿論、桐乃とは別の便で、時間をずらして、だ。 だが……… 「ただいまー」 「おかえりなさい、京介。大事な話があるわ。桐乃と一緒に………ね。」 「お、お袋………」 考えられる限り最悪の展開が頭をよぎる。 まさか、俺と桐乃がそういったコトをしてきたと誤解されてる? いや、とりあえずまだだ、お袋の話を聞いてからでも遅くは無い。 リビングに入ると、桐乃は真っ青になって、椅子に座っていた。 親父は………いない。 「桐乃、大丈夫か?」 「う、うん………」 そんなこと言って、おまえ、今にも倒れそうじゃねーかよ? 「桐乃、別にあたしは怒っているわけじゃないから、落ち着いてね。」 「お、お母さん………」 「桐乃も、京介も、友達のところに行って楽しんできた後で悪いんだけど………」 えっ?全然バレてねー? 桐乃の方を向くと、桐乃もきょとんとした表情で、俺を見ている。 そんなあからさまに安心した表情すんなよ。逆にバレちまうだろうが。 でも、その後に続いたお袋の言葉は、あまりにも衝撃的だった……… 「もっと前からあなたたちに言わなければいけなかったんだけど……… 京介、あなた、本当はあたしの子じゃないの」 えっ?何、何を言ってるんだよ、お袋? 俺は、この家の長男で、桐乃の兄貴で………? 「うそっ!うそでしょっ!ねえっ、お母さんっ!」 先に激発したのは桐乃だった。 目からは大粒の涙がこぼれ、端整なはずの顔もめちゃくちゃに歪み……… こんな桐乃、今まで見た事が無かった……… 俺に彼女が出来た時ですら、こんな事にはならなかったのに……… お袋も、あっけにとられ、一言も声を出せないでいる。 「っ!」 沈黙に耐えられず、桐乃はリビングを飛び出していく。 「お袋っ、桐乃の事は俺に任せてくれっ!」 すぐさま追いかける。 階段を駆ける音が聞こえる。 桐乃は家を飛び出したんじゃない、自分の部屋に戻るつもりだ。 俺も慌てて階段を駆け上がる。 「待て、桐乃っ!」 「ヤダッ!」 「やだじゃねぇっ!」 2階にたどり着く。 桐乃は、自分の部屋か………? いや、良く見ると、床に落ちた透明な雫は、俺の部屋へと続いている。 「桐乃、入るぞ?」 返事を待たず、俺は部屋へと入る。 桐乃は、俺のベッドの上、俺の布団に包まって泣いていた。 まるで、居なくなってしまった兄を、兄の使っていた道具に求めるかのように……… 「あたしたち、バカだよね?これまでさんざん、兄と妹って関係に悩んで、苦しんで。 やっと、本当の兄妹になって、それ以上の関係になろうとして、 それなのに………それなのにっ………」 「桐乃………」 「昨日、兄貴に大好きって言われて嬉しかった。 京介はあたしの兄貴で、絶対に一生離れることは無くて、 そのうえ、あたしの事一番に考えてくれるって……… 結婚とか出来なくても、あたしには一生の伴侶がいるんだって………」 「俺は今だって、おまえのことが大好きだよ。 おまえを手放す事なんてできるかよ」 「ありがと………京介」 違うのか?おまえの求めてる答えは違うんだな? 「でも、京介って、エッチだし浮気性だし、あたしより魅力的な娘がいたら、 すぐに惹かれていっちゃう………」 「そうだな。よく、言われる………」 「あたし、これまでは、安心してた。 兄貴とどんなことがあっても、兄貴は兄貴なんだって………ずっと傍にいるんだって。 でも、あたしの兄貴は居なくなっちゃった………もう、手に入らないの。 ねえ、どうしたらいいの、あたし、どうすればいい?」 分かったよ。おまえの気持ちが。 だから、俺もそれに答えてやらないとな。 「桐乃、結婚しよう」 「な、何いってんのよ、あ、あんた!?」 「悪ぃかよ?俺は兄から夫になる。おまえは妹から妻になる。ただそれだけの事だろ?」 「だ、だって、兄妹で結婚って………あっ………」 「結婚して、浮気をする暇もないくらいエッチして、子供も作って、 兄妹の関係に負けない強い絆を作っていこうぜ」 「き、京介、え、えっちって………」 「今までよりもっと強い絆を作るって言ったろ?心も体も一つになりゃいいじゃねーかよ!」 「心も………体も………」 へっ、我ながらなんつー恥ずかしいセリフだよっ! 極端にすりゃー、これまで妹だった女の子にエッチしようぜって迫ってるわけだからなっ! だが、何にしても……… 「ちょっとは落ち着いたか?」 「………うん。でも、あんた恥ずかしすぎ。 け、結婚しようって所はともかく……… ぶっちゃければ、あたしにえっちしようって迫ってただけじゃん?」 「は、ははっ………」 バレてーら。 「でも、なんとなく分かった。」 「ん?何がだ?」 「結局の所、あんたは、兄貴のままだってこと………」 「そうだな。その通りだ」 「そして、あ、あたしの、か、彼氏だって事………い、言わせないでよっ、恥ずかしいんだから」 結局、血縁があろうが無かろうが、これまで過ごしてきた桐乃との時間は無に出来ることじゃない。 またそれとは逆に、血縁があろうが無かろうが、お互い好きになってしまったって事も、 同じように決して覆せない事実だ。 まあ、そんな小難しいことはともかくとして、だ。 俺は桐乃に近づいていく。 「それで、まだ答えを聞いてないんだが?」 「えっ?」 「ほら、その………結婚しようって事の、な」 桐乃の顔が羞恥に赤く染まっていく。 ほら、そんなにほっぺた膨らませるからマル顔なんて言われんだぞ? 「京介………あたしをお嫁さんにもらってください」 「ああ、愛してるよ、桐乃」 俺は桐乃を抱きしめ、耳元に、こうささやいた。 「わたくし高坂京介は、高坂桐乃を妻とし、良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も、 病める時も健やかなる時も、共に歩み、他の者に依らず、死が二人を分かつまで、愛を誓い、 妻を想い、妻のみに添うことを、神聖なる婚姻の契約のもとに誓います。」 桐乃も、俺の耳元でささやき返してくる。 「わたくし高坂桐乃は、高坂京介を夫とし、良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も、 病める時も健やかなる時も、共に歩み、他の者に依らず、死が二人を分かつまで、愛を誓い、 夫を想い、夫のみに添うことを、神聖なる婚姻の契約のもとに誓います。」 俺たちはお互いを見つめ、微笑みあう。 誰に認められたというわけでもないが、そこには夫婦としての一歩が確かに刻まれたように思う。 「その………京介さん」 「な、なんだよ、急に改まって」 「ふつつかものですが、よろしくお願いします」 なっ、なぁっ!?お、俺の妹がこんなに――― 「なーんて言うとおもったあ?あーマジおかしーーーwww い、いくらなんでもっ、そこまで変わるわけないじゃんwwwお、おなか痛いwww」 ひっでぇ………。おまえら、これが俺の妹様兼妻ですよ? マジ可愛くねーよな!!! 実は、この話にはちょっとした続きがある。 この後、桐乃と愛を確かめ合った後……… 念を押しておくが、もう夫婦みてーなもんだし、やましくなんかないからな? リビングに二人で降りてくると、げっそりとした状態のお袋がいたんだが……… 「え、えーとね?京介、桐乃? もう、色々あった後でこんな事言うのもアレだけどね?さっきの、冗談、ね。」 ………………………………………………………ハァ? 「どどどどどどういうことだよっ!?」 「京介は、完全完璧にウチの子だから、安心していいわよ~………」 お、お、お袋っ!?やりやがったな……… つか、桐乃さん?そんな黒いオーラだしたら、俺もちびっちゃいますよ? 「お母さん。どういうことか、説明」 「その、ね、麻奈実ちゃんから、二人の仲を認めてあげてって、説得されてたんだけど、 本当にそこまで進んでるのか気になるじゃない?」 で、自爆ですか? 「それで、賭けになっちゃって、兄妹じゃないって嘘ついて、 関係が変わらなかったらあたしの勝ち、進展したら麻奈実ちゃんの勝ちって、ね?」 「つか、一歩間違えば家庭崩壊の危機じゃねーかよ!?」 「あたしも今回ばかりは本当に反省してるから、許して、ね、桐乃?」 「分かった。でも、お父さんにも認めさせる。これ、条件ね。 もちろん、あたし達自身も説得するケド。」 おお、やさしいじゃねーか。 俺だったら日頃の恨みを晴らすとこなんだが、まあ、桐乃が満足すれば十分かな? だが、お袋の次の一言もまた、俺たちを驚愕させるには十分だった。 「それ、もう大丈夫よ」 「「………は?」」 「ええとね、お父さんは、だいぶ前から京介にほれ込んでてね、 『桐乃を任せるのは京介以外ありえん』っていつも言ってるわよ」 「冗談みたいな話だな………」 お袋と話した後、再び俺の部屋で話しあう。 「兄妹………だったな」 「だったね………」 でも、別に、そこにあるのは絶望なんかじゃない。 「でも、ここまで来たら、大した違いじゃないよな?」 「うん。そうだね」 俺は、桐乃を抱きしめて、もう一度想いを伝える。 「桐乃、愛してるよ」 「あたしも、愛してる、京介」 End. -------------
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345 名前:【SS】[sage] 投稿日:2011/09/20(火) 16 30 33.26 ID krIRD6590 [4/7] SS千葉の堕天聖黒猫と本音 ガールズトーク翌日辺りの黒猫視点です 「私の名は黒猫。人は皆『千葉(せんよう)の堕天聖』と呼ぶわ…」 「なーに中二病言ってんの。チバの性奴隷エロ猫の間違いっしょ」 「エロ…!?ではなくて、私の崇高なる世界に立ち入らないで頂戴ビッチ」 「じゃなくてさあ。折角妹2人もできて『キタキタキターー!』って思ったのにさ、2人とも京介と 出かけるなんて聞いてないし!何よそれ…あたしの萌える気持ちをどうぶつけろっていうのよ!」 「…その辺の壁なり柱にでもぶつけてて頂戴。私の大切な妹にビッチ臭を付けられても困るわ」 「あーーーーもう!もっかい温泉に入って来る!」 そう言い残して、ビッチ女-高坂桐乃は部屋を出て行った。 ふう…これで静かになるわね。大体あの女には空気を読むと言う考えはないのかしら。 真っすぐでいて、何に対しても全力で突っ走る女。多少の障害があってもあの女なら容易く乗り越えるだろう。 その癖、最も大切な事だけには、非常に奥手なのは笑ってしまうわ。 -だから私に隙を作ってしまうのよ。 あの女の最大にして唯一の隙-そして誰よりも大切に想っているであろう相手を思い浮かべる。 そしてその相手は、いつしか私にとっても大切な存在へ変っていた。 「あの者…『京介』は前世にて契りを結んでいた関係。そして…」 私は右足を上げ、左手を水平に真横に挙げたままこうつぶやく。 「未来において再び巡り合う関係。でも…」 そこで私は服に忍ばせていた携帯電話を右手で取り出し、それを耳に当てる。 「トゥルルルル…トゥルルル…私よ」 私の脳内にはある存在が浮かびあがり、それは形を変えてハッキリと姿を現してきた。 「やはりあなたなのね…はっ!?では現世における『京介』が、ああなってしまったのは…くっ」 携帯を耳から離し、苦しげな表情を浮かべる。 「『京介』を本当の姿に戻すには…どうしても、そうする他は無いという事ね」 現世において、『京介』は本当の姿を見失い彷徨っている。そしてそれを救うためには『京介』の 半身でもある存在-それを繋げなければ本当の姿に戻れないのだ。 「その為には『京介』の半身-あの女と、お互いが秘められし心に気付かなければならない…のね」 ぐ…と歯ぎしりする。が、私の≪儀式≫を達成する為には、本当の『京介』でなければならない。 そう…この現世において『京介』は2つに分かたれた存在になってしまったのだ。 『京介』とその半身であるビッチ…『桐乃』。それが現世での姿なのだ。 「わかったわ。幾ら元が1つの半身同士であるとは言え、現世における2人はアダムとイブ、 つまり間には何も立ち入ってはいけない存在同士なのね…なんて恐ろしい事になっていたの」 私はそこで暫く思案し…1つの答えを導き出す。 「ふっ…いいでしょう。ならば私は今回は道化に甘んじてやるわ。その代わり…」 ほんの少し…だけど強く感じる胸の奥の痛みを打ち消し、こう宣言する。 「誰よりも幸せになりなさい。それがあなた達にかけられた呪いを打ち消す方法なのよ」 …そう、これでいい。私は永久に転生を繰り返す存在、きっと彼らと再び出会えるわ。 「えーーーっと、黒猫さんそろそろいっすか?」 「な…な…な、あああああなた!いつからそこにいたの!?」 「いや、戻ったばかりなんだが。入ってはいけない雰囲気を感じてな…」 そこには私が前世で契りを結んでいた存在『京介』がいた。 ふぅ…私の本当の姿を知られてはならないわ。彼は現世ではただの人だもの。 「ルリ姉また遠い世界にぶっとんでた?」 「あなた…今日のご飯はオレンジとグリーンに彩られた素敵なメニューで良いというのね」 「ごめんなさい何も見てません」 日向はいつからこうなってしまったのかしら…とため息をつく。 「たっだいま!って日向ちゃんキタキタキタアァァァ!さっそく桐乃お兄ちゃんとおそぼ!うへへへ」 「ルリ姉ー!高坂くんマジ助けてヤバイヤバイキリ姉壊れたってばあ!」 騒がしい周りを見渡し嘆息する…でも、今はきっとこれでいいのでしょうね…。 -------------
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91 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/03/15(火) 20 27 12.28 ID 1CE10hYm0 まとめ100,000アクセスお疲れ様! 「うっしゃー!桐乃スレまとめサイト1万アクセスきたーーー!」 やっぱ、こんなに人があつまんのも加奈子のおかげだよね〜〜〜 カウンターも100000…うん、1万人も見てんだよなァ! つぅかぁ、加奈子マジすごくね?これほとんど全部、加奈子のSS見に来たやつらだろ? 日本の人口の半分くらいあるんじゃね? こんだけすげー大人気なアイドル様って、やっぱ、加奈子しかいねーよなぁ? さーて、今日もSSカキコカキコ………って、あ、あんだよ? う、後ろから、さ、寒気がすんじゃねーか!? ………み、見たら、か、加奈子、殺されんじゃね!? 「加・奈・子ちゃん?」 「ヒィーーーーーッ!た、助け……… って、何だよあやせと桐乃か、おどろかせ………あ、あやせ?こ、こえーよ?」 「加奈子?私、前言ったよね?桐乃にヘンな事する物語を書くなんて許さないって。」 「ちょ、ちょいまって………か、加奈子は、あれからは普通の話しか書いてねーぜ?」 「あ、あやせ。加奈子も反省してるしねっ?ねっ?」 「………桐乃がそう言うなら………でも本当に、次やったら殺すからね♪」 た、たまには加奈子の事信じてくれたっていいのによぉ? 「んでよぉ、見ろよこのアクセス数。 加奈子のSS見んのに1万人も集まってんだぜぇ?マジすごくね?」 「加奈子………10万人だよ、それ」 「え、マジ?そんならもっとすごくねぇ!?世界の人口の半分くらいじゃね?」 「「………………………………………」」 な、なんだよ?加奈子、ヘンな事言ったかよ? 「それによぉ、ほとんど加奈子のおかげなのは間違いねーけどよぉ、 他にも、色んなオタク共がたくさんSS上げててよぉ、めっちゃ楽しいんだぜ?」 「ふうん。ねえ、それじゃあ加奈子はどんな話がお勧めなの?」 「んー?とりあえずぅ、始めの頃だとこれかな?『兄貴の看病』とか、『シスコン車両』とか」 「えーと、なになに………?」 つーか、マジおもれーよな! 加奈子もよぉ、ここに居つく事になった理由もコレだしよぉ 「加奈子?」 「どーしたー、あやせ?………そ、そんな怖い顔すんなよ? か、加奈子が書いたんじゃねーってば!」 「そう。とりあえず、書いた人の接続先を後で調べてもらわないと……… それに、ねっ、桐乃。桐乃がこんな変な事考えるわけが無いよね。」 「え?う、うん?………そ、そうだよ。あ、兄貴に膝枕とか、考えた事すらないよ!?」 ………兄貴に膝枕するとこ想像してんのかよ? ま、いーや。加奈子にゃーかんけーねーしな。 「ほらね。加奈子。桐乃だって、考えた事すらないって言ってるじゃない。」 「そ、そうかよ?」 「そうなの。」 問答無用かよ。 なんでこう、あやせのやつは人の話をきかねぇんだろうなぁ? 自分の思い込みばっかじゃねーかよぉ。 「………それからよぉ、9スレ目あたりから、兄専用ってのが結構出始めたよなぁ」 「ちょ、ちょっと加奈子何言ってんのよ! あ、あたしがあ、あ、あいつの物とかっ、マジありえないし!」 「き、桐乃ぉ?だ、だからこれは創作d………あやぜ………ぐび………」 「いい、加奈子?桐乃があの変態お兄さんの物とか、たとえ冗談でも許さないからね。」 「わがっだ、わがっだがら………ぐび………」 「あっ、ごめんね加奈子。私ったら、『つい』力が入っちゃう事があるから。ごめんね。」 ぜ、ぜってーちげぇ!か、加奈子を殺す気満々だったじゃねーか!? も、もうヤダ。こ、こんな目に会うくれーなら、もう解説やめる! 「加奈子ー?この8巻妄想って何?」 「あー、そいつは、これから先、桐乃に何が起こるかって想像したもんだぜ。 15スレ前後から結構増えてきたかんなぁ」 「ええと………………………………」 「う、嘘ですっ!こ、こんなっ、桐乃がお兄さんに告白する事になるなんて、嘘っ!」 「だ〜か〜ら〜、ここの住人のオタクたちの妄想だっつーの。加奈子かんけーねーし」 「あ、あやせ、落ち着いてっ!あ、あたし、兄貴にあんな告白なんてしてないよっ!」 ………あんな?……………………… ちょ、ちょい雲行きあやしーな?わ、話題かえねーと。 「この、ミスターシスドーってのはどーよ?」 「えっ?ミスターシスドー?何ですか、その不吉な響きの名前は?」 「桐乃の兄貴がどんだけ変態かっつー話でよぉ、マジおもれーよ」 「そうですね。桐乃のお兄さんには、散々変態的な嫌がらせも受けましたし、 見る価値のありそうなお話ですね。 「………………………………」 「お?桐乃ぉ?ふくれちまってどーしたんだよ?」 「べっつにぃ」 桐乃ってよぉ、兄貴のコトになるとすーぐふくれんだよなぁ……… やっぱ、さっきのと合わせると……… つーかぁ?さっき加奈子ぉ、何か大事な事考えてなかったっけなぁ? 「殺す………」 って、こっちはこっちでいきなり暴走してるし!? 「あやせ、ちょ、ちょいまち。」 「何?加奈子。私は今からお兄さんを殺しに行きますから、ちょっとどいててね。」 「あ、あやせっ、これっ、創作だからっ、嘘だからっ! いくらなんでも、あたしの兄貴でもここまではしないって!」 「そ、そうなの桐乃?本当だよね?嘘なんか言ってないよね?嘘じゃないよね!?」 「う、うん。だってこれ、兄貴と似た声の人の話だし、それを冗談で書いてるだけだよ。」 「それなら、ひとまずは置いておくことにします。でも、この作者もリスト入りかな。」 リスト!?何のリスト!? あやせって、マジで人の一人や二人くらい埋めてねー!? か、加奈子の作品でやべーやつ………け、消したよ、な? 「へぇ〜、このあたりから、挿絵の付いたものが結構増えてるね。 つーか、あたしマジ可愛いじゃん?で、でも、こんなことはあまりしてないよ?」 「ほんと、酷いよね。この絵描きさんも。 私の桐乃がお兄さんと、こんな、ら、ラブラブに、なるわけないのにね?」 「う、うん。」 「そうかー?ぶっちゃけ、学校で桐乃が兄貴のこと喋るのって、 ほとんど彼氏の自慢話とかわんねー気がs」 「加奈子?言っていい事と悪い事の区別が出来ないと、本当に大人になれなくなるよ?」 「………う、うい」 「返事は『はい』でしょ?」 「は、はい!」 もう、あやせのやつ、けーさつにでもなりゃいいんじゃねぇ? マジちびる怖さだしよ? 「そういえば、加奈子?この『きりりんがる』って何なのかな?」 「桐乃ってばよぉ、けっこー言葉とぉ、態度っつーか気持ちが逆じゃん? でぇ、桐乃の言葉から桐乃の気持ちを読み取る能力だってばよ」 「ば、馬鹿じゃん?あたしは思ったとおりに喋ってるしー」 「今のも訳すと『ごめんね、あたしいつも思っても無い言葉ばかりで』ってなるんだってよ」 「そうなの?桐乃?」 「し、知らないっ!」 ぷくく。真っ赤になっちまって、意外と可愛い所あんじゃん。 完璧超人のハズの桐乃の弱み、みーっけっと。 あー、でも普段からこんなんやられたらファンがもっと増えちまうよなー まーでも、加奈子のが可愛いし、別にいっかー 「ちゅーかぁ、このへんから増えてきたよなぁ、兄パンくんkむぐ〜〜?むぐ〜〜!?」 「桐乃?どうしたの?加奈子の口を押さえちゃって?」 「な、なんでもないよ?また、何か変な事言おうとしたみたいだから、 あやせが怒る前に止めただけだよ?」 「わ、私、そんなに怒ってる?」 「………ちょ、ちょっとだけ………」 「んーー!んーーーー!!!………………………」 「あ、あれ?か、加奈子?どうしたの?ぐったりしてるよ?」 「桐乃!息っ、息っ!」 「………あっ!」 「ぜーーーはーーーー………か、加奈子ぉ、お花畑がみえたぜ?」 「ご、ごめんね。でも、今の発言をしたらどちらにしても死んでたよ?」 「………………………………わ、わかった、自重する………」 「加奈子、『自重』なんて言葉使えたんだ………すごいね?」 「とーぜんっしょ!加奈子ってばぁ〜桐乃スレの神職人だしよ〜〜!」 「「………………………………」」 なんで二人してびみょーな顔してんだよ? つーか?この暴力女二人組み!本気で加奈子を殺す気かよ!? 加奈子死んだら、おめーらと比べ物になんねーくれーの人が悲しむんだからなー! 「それにしてもよぉ、この『桐乃の手作りカレー』ってのは現実っぽいよなー」 「え?あたし、こんなに料理下手じゃないよ? 今年のバレンタインでも、あやせ、美味しいって言って、全部食べてくれたしー」 「え、えと………その………」 「マジ?桐乃のチョコうめーんだ?加奈子にもくれよぉ」 「うん!わかった。腕によりをかけて作るから、来年は楽しみにしててね!」 「………(加奈子………ご愁傷様………)」 「え、あやせ、何か言った?」 「ううん?ぜ、全然問題ないよ!?」 ………なーんか、あやせのヤツも、隠してる事ありそうだよなー ま、いくらなんでも食えねーこたぁねーだろ? 「次は、20番台………うわっ、凄い!急に増えたね?」 「まーな。加奈子がSS書き始めたのもこの頃でよー? 加奈子に釣られてたくさんの人がSS書くようになったってわけよ!」 「いや、いくらなんでもそれは」 「加奈子マジすごくね?ぶっちゃけリアルでもネットでもアイドルでよぉ?」 「『初夢』なんて、季節に沿ったお話が多くなってきたんですね。 内容は………な、なんとか許容できるレベルのようですね………」 「そ、そうなんだ。まあ、確かに今年の初夢は兄貴が出てきたんだけどさ? あいつ、ほんっと間抜けなことばっかりでさー? 雪山で道に迷って遭難するわ、ロッジを見つけたのはいいけど、 体を温めるものがないとか、ほんと準備不足なんだから。 その挙句、寒いだろとか言………えーと、何の話だっけ?」 ぜ、ぜってー無理矢理話逸らした!? でも、突っ込むとあやせのやつがまた暴発すんだよなぁ 「こ、このっ、お話っ!」 言ってるそばからまたかよぉ? 「あやせ〜、どうしたってばよ?」 「お、お兄さんが、き、き、桐乃の胸をっ!」 「だから、全部架空の話だっつってんだろぉ?こっちの話じゃ、キスしてるしぃ、 こっちじゃ桐乃がエロボイス出してることになってるしぃ」 「その次はもっと酷いですっ!」 「………あー、加奈子も兄パンネタやりまくったしな〜」 「加奈子?今なんて言ったのかな?」 「えーと………………桐乃の兄貴のネタを使いまくったって言っただけだしぃ」 あ、あぶねー。注意してねーと、本当に埋められるじゃねーかよ。 「それとぉ、この辺からじゃねーかな?あやせが登場することが多くなったのはよぉ?」 「わ、私?私がなんで、こんな所に居ることになってるんですか!?通報しますよ!?」 「でも、あやせは真面目なキャラって表現されてる事が多いみたいだよ?」 「と、当然ですっ!最近、お兄さんが変な事言うせいで、 私までおかしな人だと思ってる人が増えてしまって、ほんと迷惑です。」 「そーだなー、この『あやせ相談所』でも、あやせは真面目キャラだしなー」 「………何ですか?この桐乃はっ!これじゃお兄さんより変態みたいじゃないですかっ!」 「というか、あたしの兄貴を手錠でジャングルジムに固定してることに突っ込みは無し!?」 「………そうだよね、そこも嘘八百だよね。 書いた人見つけたら、針千本ちゃんと飲んでもらわないとね?」 「加奈子、どうしたの?さっきから震えてるよ?」 「な、なんでもないっつーの!次行こーぜ、次!」 そいや、これ、加奈子の書いたやつじゃねーかよ!? つーか、あやせのやつ?なんでそんないっぱい針の入ったケースをもってんだよ!? 「そ、そして、お、お風呂!?」 「い、いくらなんでも、最近はあんまり一緒に入ったりしてないよ!?」 「子供んころは入ってたんだろぉ〜?」 「んー…6歳ごろまでかなぁ?」 「二人とも小学生低学年………とりあえず許容範囲ですね。」 「あやせだってよぉ?どーせ小学生の頃ぉ、オヤジと一緒に風呂入ったりしてんだろぉ〜?」 「そ、それはそうですけど………でも、私の父は、お兄さんとは違って変態じゃないです。」 「あ、あたしの兄貴って………」 「ち、違うの、桐乃。お、お兄さんは、いい人だけど変態で………そのっ………」 お〜あやせが焦ってんじゃん!めっずらし〜事もあんだな〜 「この辺でゲームが発売になったんだっけなぁ?」 「うん。あたしを題材にしたゲームなんていうからビックリしたけどね〜 でも、結構評判良かったみたいじゃん?さすがあたしだよね〜」 「あのゲームは破廉恥すぎますっ! よりにもよって、この私がっ、お、お兄さんのっ!」 「あ〜腹ボテエンドぉ〜?アレマジうけるし〜」 「(どうせなら、あたしのルートでやればよかったのに………)」 「加奈子は〜、なんかむっちゃ良い人だったし〜」 つぅか〜?本物はもっと可愛いーだろ〜? ゲームのスタッフ、加奈子の事なめてんじゃねー? 「とにかく、この辺から、桐乃の子供が出てくるお話が増えてますよね。」 「あたしの子供か。なんか想像できないけど、夢のある話だよね〜」 「SSの中では、親に似て変態ってのが多いけdゲフッ!?」 「加奈子ちゃん?言い直す機会があるけど、どうするのかな?」 「き、桐乃に似て、素直で良い子だよなっ!」 「よくできました。ダメだからね?桐乃について嘘を言うのは。」 か、加奈子が一体何やったってんだよぉ!? 後でぜってーお返ししてやるかんなー! 「結構色々あるね?想像妊娠?なんかエロゲーみたいだよねー?」 「そ、それはともかくっ、職場体験とか、バレンタインとか、カップル割引とか、 結構現実を題材にした話があるんですね。」 「加奈子もバレンタインネタは書いたしよー。やっぱ季節ネタってつえーよなぁ」 「ん?高坂桐乃クンカ症候群?なにコレ?あたしの病気?」 「なんかよぉ、桐乃の事好きなやつらがさぁ、 好きで好きでしょうがなくって、おかしくなっちまったんだってよー」 「それじゃあ、私は当然一番重症のK5ですね?」 「………たしかに、そうかもしんねーよな………」 あやせのやつ、結構ブチ切れるしよぉ、加奈子のこと、獣のように殺しにかかるしよぉ? ほんとにK5になるんじゃねーか? 「お、これで30番台だね。もう少しで終わりかな?」 「このへんで目新しいのは………桐乃の子供時代を題材にしたものですね。」 「加奈子は書いてねーけどよぉ?桐乃にもこんな可愛らしい時代があったとかよぉ? 結構笑えるんじゃね?かんっぺきブラコンだしよぉ?」 「う、うっさい!まあ、確かにちっちゃい頃は兄貴の後ろばっか付いて回ってたけどさ」 「小さい桐乃、幸せそう………それに、この頃のお兄さんは変態じゃないし、 本当に、良いお兄さんだったんですね?」 「一応念のために言っとくけど、似たようなことはあったのは確かだけど、 あくまでも、これって想像上のあたしだからね!?」 いちいち念押しとかマジあやし〜顔も真っ赤だしよぉ? でも、さっきから加奈子が突っ込むと、ロクな事になんねーんだよな〜 「この辺は、授業参観が多いですね。それに………ら、らぶどーる!?」 「そういえば兄貴、友達と一緒に見てきたって言ってたっけ?」 「で、でもこれっ!あ、あの変態お兄さん、桐乃のっ!」 「つぅかぁ、なんであやせ、ラブドールって何かしってんの?」 「………ち、違うのっ!こ、これは……… そうです、あの変態お兄さんが無理矢理私に教えてきたんですっ!」 「あの変態っ………あやせにそんなセクハラしてるなんて………!」 あー、桐乃の兄貴もかわいそーによぉ ぜってーあやせのやつ、嘘ついてるのによ? 「でよぉ?ここまでみてきてどーだったよ? 加奈子のSSもけっこーあったけどさぁ?みんなの作るSS凄いっしょ! 桐乃はどー思ったよ?」 「あ、あたし?………ま、まあまあなんじゃない? あいつが主人公視点で、あたしにセクハラする内容とかキモイと思うけどさぁ? あと、あたし視点で、あいつのこと大好きっ!とか言ってんの見ると、 マジ寒気がしてくるけどさぁ? 挿絵もさ?あたしと兄貴をひっつけることばっか考えててさ?マジキモイ。 とりあえず、あたしの事応援してくれてんのは良く分かるケド………」 あの、きりりんがるっての使えばこーなるんかな? 『すっごく良かった!兄貴があたしにセクハラするのとか大歓迎! あと、あたしが兄貴に「大好き」とか言うの、頭がフットーしちゃう! 挿絵も大好き!もっと、あたしと兄貴がイチャイチャしてる絵を描いてよ! あたしの事応援してくれてホント嬉しい!ありがと!』 うへぇ………桐乃が素直にお礼言ってるの想像しちまったじゃねーかよ 「あやせはどー思ったよ?」 「私は………お話の作者のうち、半分位は東京湾に沈めることにしましたけど、 桐乃の事、大事に思ってくれてるのはわかりました。 それに、そんな気持ちを持ってる人がこんなに沢山居るなんて、 なんか、私のことじゃないのに嬉しい気持ちですね。 全体として、とりあえず許容することにしました。」 ううっ、あいかわらずきっついぜぇ? つーかぁ、同志SS作者?半分はあやせに殺されるぜぇ? はやく逃げて、あやせに殺されねーようにな? 「そーいやよぉ?SSの中で、いくつか見もしなかったのがあるんじゃね?」 「………あ、あたしは知らないよ!?」 「………桐乃が知らないなら、私も知りません。」 「つぅかよ?結婚とか、ブライドとか、タイトルにあるやつを避けてんじゃ―――」 「ば、馬鹿ぁっ!し、知らないったら知らないっ!もうっ、帰るっ!」 「き、桐乃?ちょっと待って―――あ、走って行っちゃった………」 触れて欲しくねーとこだったのかよ? つーかぁ、あいつの左手……… 「加奈子?桐乃が敢えて触れてなかったのにどうして………加奈子?どうしたの?」 「えっ、あ、あぁ?さっきよぉ、桐乃が走ってく時に見えたんだけどよぉ? 桐乃の左手の薬指に指輪がはまっていてよぉ?」 「加奈子?私、嘘が嫌いなこと位知ってるよね?」 「う、嘘じゃねーって!つーか嘘ついても加奈子に得がねーし!」 「そ、それじゃ、ほんとにほんと………なの?」 「あぁ、マジだし。それに………あの指輪、加奈子のマネージャーもつけてたんだよなー? あやせ知らねぇ?桐乃と加奈子のマネージャーってなんかかんけーあんの?」 「ありがとうね。加奈子。」 「ど、どうしたんだよ?急に優しい声出してよ?」 肉食動物の捕食前の声みてーじゃねーかよ!? か、加奈子、ここで死ぬの!?あやせに喰われんの!? 「私、桐乃のお兄さんに、特別な、本当に大事な用事が出来ました。 (ウソ、ウソウソウソ、ウソダヨネ、ウソナンデショ、ウソッテイッテヨネ) だから、加奈子。また、明日ね?」 「ひっ、ひぃっ………」 「やだなぁ、加奈子。そんなに怖がってると寿命が縮むよ?それじゃあね?」 「………………………」 ご、ごわがっだーーーー!!! つーかよぉ?桐乃の兄貴ぶち殺されねーかな? ん?桐乃の兄貴………あぁーーーーーーっ! あんのクソマネージャー!桐乃の兄貴だったのかよぉ! ………って、桐乃と桐乃の兄貴が同じ指輪? ………………………加奈子ってばぁ、あたまそんなよくないしぃ、 なんだかぁ、よくわかんねー………ことにしとこー………。 ま、桐乃が幸せならいっかー。 桐乃のこと、スレ住人みんな応援してたもんなー 兄貴といつまでもしあわせにな〜♪なんつって! End. -------------
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47 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/08/12(金) 23 53 10.67 ID wFNb6nG90 [3/4] 【SS】幸せの配布 「良かったら貰って下さい!」 桐乃が通りすがりの男ににっこりと笑いかけながらポストカードを差し出す。 ポストカードを差し出された男は、締りのない顔を見せポストカードを受け取った。 ・・・・・・イライラする。 「ぜ、絶対に買いますから!」 男は一度桐乃に好色な視線を向けた後、早足でその場を去った。 ・・・・・・イライラする。 「あー!くそっ!」 小さく悪態をつき、空を見上げた。 中天には燦々とお日様が輝いている。 俺がイラついているのは、きっと―いや、間違いなくこの暑さのせいだ。 コミケに行けないからでも、俺が似合わないスーツを着させられているからでも、桐乃が好色な視線で見られているからでも、 ましてや桐乃が露出の多いウェディングドレスを着ているからでもない。 絶対に違うはずだ。 「どうしてこうなった」 八月十二日は8(ハ)1(イ)2(フ)、配布の日である。 だからってわけじゃないんだろうが、俺と桐乃はこのクソ暑い中アキバでポストカード配りを行っていた。 事の発端は桐乃の所属している事務所の、某小説とのコラボだった。 某小説―『あたしの兄貴がこんなに格好いいはずがない』通称『あた兄』は現在8巻刊行中のアニメにもなった人気ラノベである 。 どうやらその主人公である霧乃という人物と、桐乃がそっくりらしくて、事務所にコラボの話が来たらしい。 普通ならそんな話は来ないし、来ても企画が通らないらしいんだが、加奈子の一件でオタク業界とのつながりが出来てその縁だと か。 前から思ってたんだが、なんかあの事務所間違った方向に進み始めてねえか? まあ、俺としては桐乃が嬉しそうだし、場合によってはオタク趣味を隠さなくても良くなるかもしれないからいいんだけどよ。 そんなわけで、コラボの一環として、『あた兄』九巻の発売記念のイベントが決まったわけだ。 それ自体は問題ないんだけどよ― 「ほら、あんたも声出しなさいよ」 桐乃が俺にポストカードを差し出してくる。 やけに露出の多い上に、スカートの裾が破けているウェディングドレス姿で。 俺は桐乃から差し出されたポストカードに眼を向ける。 そこには兄『恭介』にお姫様抱っこされ、顔を赤くしながら暴れている主人公『霧乃』が描かれており、 その隣には『あたしの兄貴がこんなに格好いいはずがない 第9巻』の文字が書かれている。 『恭介』は今の俺、『霧乃』は今の桐乃そっくりの姿だ。 名前だけじゃなくて、格好もそっくりだなんてすごい偶然だなー。 「偶然のわけねーだろ!」 「ひっ」 突然叫んだ俺に驚いたのか、桐乃は眼を白黒させて一歩下がった。 「なあ桐乃、一つ聞いていいか?」 「う、うん」 「なんで俺たちがこんなところで、こんな格好でポストカード配ってるんだ?」 「はあ?あんたなに言ってんの? 『あた兄』販促イベントの前準備じゃん」 そう。『あた兄』新刊の販促イベントとして、公式の『霧乃』レイヤーとなった桐乃がデビューするのだ。 それはまあいいんだが、なんでこんなところでポストカード配ってるんだ? 「イベントが突然決まったから事前告知できなかったんだって。 今日はコミケだから、今は人が少ないけど、夕方にはコミケ帰りで混雑するの。 イベントはその時やるんだけど、その前に知っておいて貰わないといけないから、あたしたちでポスカを配ってるんじゃん。 これ新刊の表紙なんだけど、今日が正式発表日なんだよね。 ほんと、マジで神表紙だよねー」 桐乃が嬉しそうに笑う。 この表紙は桐乃も昨日知ったらしいが、そのときのはしゃぎっぷりはすごかった。 なんせ隣から大音量で『神表紙KITAAAAAAAAA!なにこれ!最高じゃん!妹婚じゃん!』の叫び声が30分近く続いた からな。 「あんた、あたしに感謝しなさいよね。 あたしの兄貴じゃなけりゃ『恭介』の正式レイヤーになれるはずなかったんだから」 そう。今回俺もポストカードを配ってるのは、なぜか俺もこのイベントに参加することが決まったからだ。 「あんたなんか『恭介』と比べて全然格好良くないんだから。 確かに見た目は、ちょっとは似てるけどね」 「うるせえ。確かに俺は格好良くないかも知れねえけどよ、死んだ魚のような目はしてねえぞ」 「その死んだ魚のような目がそっくりなんだけど。 でも『恭介』はそんな目でも、ちょっと地味でも、すっごい格好いいよ」 くう、これが『恭介』じゃなくて京介なら舞い踊りたくなるほどに嬉しいんだがな。 「けっ。おまえだって『霧乃』と比べて可愛くねえよな」 桐乃があんなに『兄貴のこと大好きだけど、素直になれなくてツンツンしちゃう』妹ならもっと可愛かっただろうな。 「む!まあ、『霧乃』ちゃんがすっごい可愛いのは認めるけどさ、あたしだって負けてないし」 桐乃は俺と距離をとって俺にその身体全体を魅せる。 アップにした髪を飾るコサージュ。 柔らかなラインを称える胸元。 滑らかなラインを描く腕を包むハンドドレス。 細い腰を強調するように咲いた薔薇。 破れてジャギーのようになったドレスの裾から、なまめかしいふとももがチラチラと覗いている。 そしてその足を色っぽく彩るストッキング。 今日何度も見てそろそろ慣れ始めたと思っていたのに、顔が一気に紅潮するのが自覚できた。 「どう?」 桐乃が腰に手を当て自信を持った表情で笑う。 見蕩れる俺の隣で、カメ子がシャッターを切る。 てめえ!桐乃の太ももを撮りやがって!それは俺のもんだ! 俺が睨みつけると、カメ子はダッシュで逃げ出した。 「・・・・・・可愛く、ない?」 一転し、視線を伏せ自信をなくしたような顔で桐乃が尋ねてきた。 「ちっ。おい桐乃、勘違いするな。 『霧乃』の方が可愛いっていうのは性格の面でだな」 「じゃあ、あたしと『霧乃』、どっちの見た目の方が可愛い?」 げ。なんて質問して来るんだよ。 どちらが魅力的かと聞かれたら、そりゃ考えるまでもなく答えは決まってるじゃねえか。 だがそんな事は言えるはずねえし― 「あー、なんだ。おまえのその格好はな、可愛いとかそういうんじゃなくてだな」 「じゃあなんなのよ」 「そりゃキレ―」 「おお、きりりん氏!京介氏!こんなところにおられましたか!」 俺がつい失言しかけたとき、後方から知った声がかけられた。 沙織か!助かったぜ! 俺が振り向いた先には、なぜかV字型のサングラスをかけた沙織が手を振っていた。 「あら、本当にウェディングドレス姿なのね」 その隣にはいつもより白の配色とフリルが多く、両肩を大胆に露出したゴシックドレス姿の黒猫がいる。 何で二人がここにいるのかも気になるが、その格好どこかどこかでみた事がある気がするんだよな。 「ちょっ!どうしてあんたたちがここにいんのよ! 今日はコミケじゃなかったの!? それにその格好、何であんたたちもコスプレしてんのよ!」 コスプレ? そうか、思い出した。 沙織のコスは『あた兄』に登場する超級オタ眼鏡『佐織・アズナブル』、黒猫のコスは電波系毒舌少女『灰猫』だ。 「あら、重要な用事が出来たからと私たちとコミケに行く約束をドタキャンしたあなたたちがアキバで面白いことをしているとい う話をコミケ会場で聞いたから、 こうして早めに切り上げて見に来たんじゃない」 「そうですぞ。せっかく黒猫氏が二人を驚かせようと二人の分も新作コスを用意しておられたと言うのに・・・・・・」 「あたしたちの分も用意してくれてたんだ・・・・・・ ごめんね」 黒猫も沙織も、俺たちとコミケに行くのを楽しみにしていたんだな。 ろくに説明もせずに断っちまって、悪いことしちまったな。 沙織はサングラスを外して目元をハンカチで拭うと、 「それに、せっかく二人で式を挙げるというのに、拙者たちに声をかけて下さらぬとは、水臭いではござらんか」 そんな馬鹿なことを口にした。 「「はぁ!?」」 俺と桐乃の声がハモる。 「そうね。ねえ桐乃、たとえ誰が京介と結ばれることになっても、その時は私たちが仲人として祝福しようと決めていたじゃない 。 あの約束は嘘だったのかしら?」 黒猫も寂しそうに俺たちから視線をそらす。 「そんな約束してないし! そうじゃなくて、ほらこれ! このコスしてるだけだから!」 桐乃はそういうと二人にポストカードを差し出した。 二人は直前の寂しそうな姿はどこえやら、桐乃が差し出したポストカードを嬉しそうに受け取った。 「おお!これが例の!」 「『あた兄』9巻の妹婚疑惑の表紙ね」 「え?二人とも知ってるの?」 「ええ。私たちはコミケ会場で『あた兄』の次の巻の表紙と、その販促イベントをあなたたちが行っているという話を聞いてここ に来たのだもの」 「もちろん二人のコスプレのことも存じ上げておりましたとも」 つまり、さっきのは二人にからかわれたわけだ。 「まったく、あんたたちは・・・・・・」 桐乃はあきらめたようにため息をついた。 「しかしきりりん氏、少し怒っていることは事実ですぞ」 「え?」 「そうね。 ・・・・・・こんな面白そうなイベントに誘ってくれないんだもの」 「あんたたちにからかわれるのが嫌だったの! それに突然だったからあんたたちに迷惑かけちゃうし・・・・・・」 「あら、あなたが私たちに迷惑をかけるのはいつものことじゃない。 それにお互い様でしょう?」 「う。でも、あんたたちはコミケを楽しみにしてたし・・・・・・」 「拙者たちはきりりん氏や京介氏と一緒に行くコミケを楽しみにしていたのです」 「それは、あたしも楽しみだったけど・・・・・・ でもこれは事務所にどうしてもって頼まれて断りきれなかったからで、 そもそも、あたしとしてはあんまり乗り気じゃなかったし」 そうか? 俺には昨日の夜からずっと楽しみにしていたように見えたんだが。 「あら、そうなの? 私はてっきりあなたの兄さんと一緒にお仕事をするために、力づくで仕事を引き受けたのかと思っていたわ」 「違うから! あたしは兄妹いちゃいちゃ話を兄貴と演じたいなんて、これっぽっちも思ってないから!」 まあそうだよな。 実の兄妹で兄妹いちゃいちゃ話の役を演じたいとは、普通思わんよな。 「ですが、コミケ会場で貰ったこのイベントのチラシには、 『お兄ちゃん大好きっ娘で有名な読者モデルの高坂桐乃を『霧乃』役に迎え、 その実兄をであるシスコンマイスター高坂京介を『恭介』役としてキャスティングしました!』と書かれているのです が・・・・・・」 「美咲さん!またあたしに隠れて!」 「って、今回一連の元凶はあの人かよ!」 まあ、言われてみれば納得だけどよ。 「とにかく、あたしは『あた兄』は好きだし、『恭介』と『霧乃』のカップリングは好きだし、妹婚しろ!って思ったりもするけ ど、 あたしと京介を二人に重ねたり、今回のイベントであたしと京介がカップルとして扱われるようになればいいなって考えたり、 行く行くは実写ドラマ化して、キャストはもちろんあたしと京介で、いちゃいちゃシーンとかキスシーンとか、結婚シーンとか があればいいな、 とかまったく思ってないから!」 おいおい桐乃、流石にそこまで否定しなくったって、誰もおまえがそう考えてるなんて思ねえって。 (・・・・・・ねえもしかして今のって) (ええ。拙者たちが考えていた以上に重症ですな) (原罪に穢れきっているわね。 ・・・・・・まあ、そこが可愛いのだけれど) (まったくですな) 黒猫と沙織がこちらに背を向けてひそひそと話している。 なにを喋ってるんだ? 「あんたたちなに喋ってるの?」 「なんでもないわ。 ところで、このポストカードで一つ気になったことがあるのだけれど」 「ああ、拙者も気になりました」 「ポストカードの気になるところ?」 桐乃がポストカードを手に取り、ためつすがめつ確認する。 「ええ。このポストカードに重要な言葉が書かれておりませぬ」 「え?誤植があるの? どうしよう。今から修正って間に合うのかな?」 「きりりん氏と京介氏が二人でポストカード一枚一枚に書き足せばよいのです」 「流石にそれはいい加減すぎると思うんだけど・・・・・・ なんて書けばいいの?」 桐乃の質問に黒猫と沙織は二人で顔を合わせ一つ頷くと、 「「『私たち結婚しました』」」 パシーンといい音がアキバに響き渡る。 「痛いわね」 「痛いでござる」 二人が涙目で頭を抑える。 「あんたたちが馬鹿なこと言うのが悪いんでしょ!」 黒猫は頭をさすりながら、 「別に馬鹿なことではないわ。 新郎新婦の姿の二人が、自分たちにそっくりな二人が書かれたポストカードに『私たち結婚しました』と書いて配る。 話題作りとしては最高じゃないかしら」 「そうでござる。 ・ポストカードを受け取る人は新婚の二人を見て幸せな気持ちになれる。 ・作品の知名度が上がる。 ・話題となって作品が注目される。 ・拙者たちは恥ずかしがっているお二人の姿が見られる。 いいこと尽くめではござらんか」 「結局あんたたちが楽しみたいだけじゃん! 兄貴は喜ぶかもしれないけど、あたしは恥ずかしいからダメ!」 「いや、俺も恥ずかしいんだが」 一応言っておく。 「あら、いつものあなたなら 『プロなら話題づくりにも全力を出すべき』 というのではないのかしら?」 黒猫がニヤニヤ笑いながら言う。 「う・・・・・・ で、でもそれはダメ! だって、そういうのはちゃんと結婚してから書きたいし・・・・・・」 桐乃がもじもじしながら言う。 「ちゃんと結婚してから、ね。 ふふふ、その葉書が来るのを楽しみにしているわ」 黒猫が今度は慈しむ様な笑顔を見せた。 桐乃の『結婚しました』の葉書か。 けっ、そんなもん絶対に見たくないね。 「ところできりりん氏、京介氏にその格好の感想はいただけたのでござるか?」 沙織が口をωにして桐乃に話しかけた。 「・・・・・・特に何も言われてないケド?」 桐乃は横目で俺を睨みつける。 何だよその目は。 おまえだって俺の格好に何の感想も言ってないだろ? 「あら意外ね。一時間くらい褒めちぎられたかと思ったのだけれど。 まさか、何の感想もないのかしら?」 黒猫が俺に尋ねてくる。 「・・・・・・別に。 似合ってるんじゃないか?」 桐乃を横目で見ながら言う。 けっ、桐乃を直視しながら褒められるかってんだ。 「・・・・・・まあ、あんたよりは似合ってるのは当たり前だけどね」 桐乃も横目で俺を睨みつけてくる。 おまえのことは褒めただろうが。そんな顔するな。 「それでは京介氏、キリノの姿をどう思います?」 沙織が今度は俺に話しかけてきた。 きりりん氏じゃなくて桐乃? ああ、『霧乃』のことか。 ・・・・・・別に桐乃のことじゃないし、素直に感想を言っても問題ないだろう。 「そうだな」 手元のポストカードへと視線を向けるが、このシーンからでは詳しい情報は読み取れない。 仕方がない、桐乃が同じ格好をしてることだし、桐乃を参考にしよう。 俺は桐乃へと視線を向けた。 桐乃は俺の視線を感じたのか、一度びくりと身体を震わせた後、緊張した面持ちで俺の様子を伺う。 「・・・・・・」 これで桐乃のウェディングドレス姿を正面から見るのは何度目か。 その度に心臓が高鳴っちまうのが分かる。 この姿がどうかって? そんなの聞かなくても分かるだろう? だがあえて言葉にするなら、そうだな― 「すごい、綺麗だ」 自然とその言葉が口から漏れた。 「~~~!」 桐乃の体がビクンと震える。 「『霧乃』はカラフルなイメージが強いけどよ、その薄いピンク色の無垢な衣装もスゲー似合ってる。 服の至る所にあるバラの衣装も、『霧乃』の繊細な美しさと、内面の刺々しさを表しててイメージにぴったりだ。 髪をアップに纏めてるから、そのおかげで見えるようになったうなじがスゲーセクシーだし、 『霧乃』の輝きが、バラの派手なイメージに負けずに、それどころかそのコサージュでいっそう引き立ってる。 腰のバラの蔦を思わせるような帯も、それを飾るバラも、『霧乃』の女らしいラインを強調してるし、 その下、ドレスのスカートが引き裂かれてジャギー状になっちまってるけど、 『霧乃』の活発さが感じ取れて元からそういうデザインなんじゃないかって思っちまう」 思いつくままに言葉を並べていく。 「桐乃がとても綺麗で、素敵で、魅力的で、 ギュッて抱きしめて、匂いを嗅いで、暖かさを感じて、柔らかさを楽しみたくなってくる」 「このまま、結婚しちまいたくなるくらいだ」 「~~~!~~~!~~~! キモ!キモ!キモ! あんた、二次元の女の子になに言っちゃってんの!?」 桐乃が顔を赤くして自分の身体を抱きしめる。 「な、何って・・・ 『霧乃』の感想を言えっていわれたから、素直に言っただけだろ!?」 本当にそう感じちまったんだから仕方ないだろ!? 「第一『霧乃』ちゃんにはすでに『恭介』っていう相手がいるから。 絶対に『霧乃』ちゃんと京介が結婚することなんて認めないから」 「結婚したくなるっていうのは例えの話だ! 現実の話と一緒にするんじゃねえ!」 「ふん、どうだか。 あんた、外で『霧乃』は俺の嫁、とか言ってないでしょうね」 「言わねえよ!」 まったくこいつは・・・・・・ これだから褒めたくねえんだよな。 「まあまあ、言い合いはそれくらいにして・・・・・・ それではきりりん氏、きりりんは『恭介』のことをどう思いますかな?」 続いて割って入った沙織が桐乃に質問する。 「『恭介』? うーん、そうだね」 桐乃が腰に手を当てて俺を睨みつけてくる。 げっ。今度は俺―じゃなくて『恭介』の品評かよ。 「格好いいと思うよ」 少し頬を赤く染め、桐乃が言う。 「『恭介』はいつもパッとしない服装だけどさ、こんな風にスーツをびしっと決めれらると目が奪われちゃう。 グレーのシャツと黒いスーツって言うのはちょっとフォーマルすぎるけど、 いつもちょっと子供っぽいから、そのギャップがすごい良い。 オールバックの髪型もすっごい似合ってるし、いつもは死んだ魚みたいな目だって思ってるその目も、 なんか深い感じがしてきてとても素敵」 言葉を発するたびに桐乃の顔が赤くなっていく。 な、なんだ? その顔を見せられると、ますますドキドキしてきちまうんだが。 「京介がとっても格好良くて、素敵で、魅力的で、 ギュッて抱きしめて、頭をなでて、キスして欲しくなっちゃう」 「こんな兄貴なら、このまま結婚しちゃいたい、カモ・・・・・・」 「~~~!~~~!~~~! そんなの俺がゆるさねえからな! たとえ二次元相手でも、桐乃は嫁にやらねえ!」 さっきの表情、あれは恋する乙女の顔ってヤツか!? 「確かに『恭介』は格好いいけどな、 さっきおまえが言ったように『恭介』には『霧乃』がいるんだよ! 俺も『恭介』と『霧乃』のカップリングには賛成だ。 だから桐乃の相手に『恭介』は認めねえ!」 「はぁ?あたしは『恭介』の感想を言っただけじゃん。 実際には兄貴なんかじゃない『恭介』と結婚したいとは言ってないし。 大体、兄貴面して『恭介』との結婚は認めないとか言われるとマジむかつくんですけど。 それともなに? もしかして嫉妬してくれたの?」 「し、嫉妬なんかじゃねえ! それに、おまえだって『霧乃』との結婚は認めないっていったじゃねえか。 おまえこそ嫉妬したんじゃねえのか?」 「~~~!」 「~~~!」 ついつい言い合いを始めてしまう。 まあ、最近随分仲良くなったって言っても、俺たちは結局喧嘩続きでまだまだ仲が悪いのさ。 「・・・・・・黒猫氏」 「・・・・・・なにかしら?」 「先ほどの感想、お二人ともマジでしたな」 「ええ。 本気の顔だったわ」 「まったく、二人とも素直なのか、素直じゃないかよくわかりませんわ」 「同感ね。 それにしても―」 黒猫はバッグからカメラを取り出すと、ファインダーを二人に向けシャッターを押した。 カシャリと撮影された音が鳴り、黒猫と沙織が撮影されたばかりの画像を確認する。 そこに移されている二人の表情は― 「本当にそっくりね」 黒猫は液晶に映された二人とポストカードの二人と見比べ、クスリと笑った。 後日、黒猫からあの日の写真が送られてきた。 喧嘩して言い合いをしている俺と桐乃。 黒猫に頼まれて撮られた、俺と桐乃のツーショット。 さらに、恥ずかしそうに腕を絡める俺と桐乃。 まさにキス直前のように見つめあう俺と桐乃。 そして、あのポストカードのように桐乃をお姫様抱っこする俺と、それを嫌がり暴れる桐乃。 「くくく」 携帯の待ち受け画像を確認し、俺は自分でも気づかないうちに笑っていた。 今度の画像はもちろんアレだ。 「キモ。なに携帯の待ち受け見てニヤついてるの?」 ベッドの上でくつろいでいた桐乃が、俺の様子を見ていった。 「うるせえ。 おまえだってこの間携帯をいじってニヤついてたじゃねえか」 ちゃんと見てたんだぞ。 「べ、別にニヤついてなんかいないし」 桐乃はそう言うと、手元にあった携帯を開き、待ち受けを確認する。 ・・・・・・やっぱりニヤニヤしてるじゃねえか。 ま、俺と違って桐乃の待ち受けはお気に入りらしい『あた兄』9巻の表紙だろうけどな。 「妹婚、か」 もう一度携帯に目を落とす。 顔を赤くし、嫌がって暴れる桐乃と、それを抱きかかえる俺。 いつの日か桐乃が結婚するとして、そのときの桐乃はどんな笑顔を見せてくれるのだろうか。 「ま、例え相手が『恭介』でも、桐乃との結婚は認めてやらねえけどよ」 -Have a Happy Wedding!- -------------